中点(その8)
「神は細部に宿る」という。
オーディオにおける「細部」とはどこなのか、なんなのか。
オーディオにおいては「神は沈黙に宿る」ではなかろうか。
音楽における「細部」とはどこなのか、なんなのか。
音楽においては「神は音と音のしじまに宿る」。そう感じている。
ベートーヴェンの後期の作品においては、おそらく間違っていないだろう。
沈黙、しじまこそ、音における「細部」なのかもしれない。
そして、この「細部」が、もしかすると「中点」なのかもしれない。
フルトヴェングラーのいう「具象化における精神的な中点」とはいわないが、
そこに通じていくもののような気がしてならない。