JBL 4315(その1)
オーディオに興味を持ちはじめて1年経つか経たないかという私にとって、
ステレオサウンド 43号はいろんなオーディオ機器を知る上でも役に立った一冊だった。
43号の特集はベストバイで、
このころのベストバイはいまのステレオサウンドの誌面構成・編集方針と違い、
ベストバイに選ばれたオーディオ機器については、選んだオーディオ評論家によるコメントがすべてついていた。
ただひとりだけが選んだモノに関しては、
ブランド名、型番、価格と選んだ人の名前だけだった。
それだけでも、世の中にはこんなに多くのスピーカーやアンプ、カートリッジがあるのか、
写真もスペックもないブランド名と型番、価格という、限られた情報からいったいどんな機種なのか、
そんなことを空想もしていた。
スピーカーシステムのベストバイの、この欄にJBLの4315があった。
山中先生だけが選ばれていた。
1977年の4315の価格は455000円。
何も知らない者にとって、4315という型番はブックシェルフ型のようにも思われた。
けれど価格は決して安くない。
4333Aがこのとき559000円、2405がついていない2ウェイの4331Aが488000円。
価格からのみ判断するとフロアー型なのか。
フロアー型とすれば、どういうユニット構成なのかが気になる。