程々の音(その21・補足)
(その21)を書きながら、
コントロールアンプに関しては、他にもいい候補がありそうな気がするけれど……、
思い出せないもどかしさがあった。
なんだろうな、何があったか、としばらく思い出そうとしていた。
やっと先ほど思い出せた。
プレシジョン・フィデリティのコントロールアンプC4である。
C4は1978年に登場している。
ゴールド仕上げのフロントパネルをもつ管球式アンプである。
プレシジョン・フィデリティは、スレッショルド社長のプライヴェートブランドだったらしい。
価格は550,000円だった。
C4の製品寿命は短かった。
ローコストモデルのC7は聴く機会があったけれど、C4はなかった。
ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’79」の巻頭記事、
「’78コンポーネント界の動向をふりかえって」のなかで、瀬川先生が書かれている。
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プレシジョン・フィデリティのコントロールアンプは、管球特有の暖かい豊かさに、新しい電子回路の解像力の良さがうまくブレンドされた素晴らしい音質と思った。残念な点は、パネルフェイスが音質ほどには洗練されていない点であろう。そのことが残念に思えるほど逆に音はすばらしい。アキュフェーズC240と並んで、78年度注目のコントロールアンプといえそうだ。
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このC4とマイケルソン&オースチンのTVA1の組合せは、どんな音を聴かせてくれただろうか……。