Mark Levinson LNP-2(その5)
そのCDは松田聖子のアルバムだった。
そういえば松田聖子をディスク(LP、CDどちらとも)で聴いたことはなかったなぁ、と思いながら、
まずLD2モジュール搭載のLNP2の音を聴いていた。
それからUM201モジュールに差し替えて、また松田聖子のCDを聴いた。
声の感じが違う。
どちらのモジュールがいい音か、ということよりも、
松田聖子は日本人の女性歌手なんだ、という、この当り前すぎることを、
バウエン製モジュールUM201のLNP2は、聴き手の私にそう意識させてくれた。
LD2モジュールのLNP2だと、そういう感じはしてこなかった。
松田聖子がスリムになっている感じもする。
松田聖子の歌を、自分のシステムだけでなく、
誰かのシステム、ステレオサウンドの試聴室でも聴いたことのない私には、
松田聖子とはテレビでみていたときのイメージしかないわけで、
それに近かったのはUM201モジュールのLNP2だった。
こう書いてしまうと、UM201のときの音はテレビ的だととられるかもしれない。
そうではなく、テレビでみていたときの松田聖子の顔、しぐさといったことが、
UM201のLNP2で聴いていると浮んでくる。
これは素直にいい、と思って聴いていた。
しかもLD2のLNP2のときには気づかなかった松田聖子の声の表情の変化も、うまく出してくれていた。