Mark Levinson LNP-2(その6)
バウエン製モジュールがのったLNP2の音で、松田聖子のCDを聴いていて、
思い出していたことがある。
黒田先生がステレオサウンド 59号に書かれていることだ。
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すくなくともぼくがきいた範囲でいうと、これまでマーク・レヴィンソンのコントロールアンプのきかせた音は、適度にナルシスト的に感じられました。自分がいい声だとわかっていて、そのことを意識しているアナウンサーの声に感じる嫌味のようなものが、これまでのマーク・レヴィンソンのコントロールアンプのきかせる音にはあるように思われました。針小棒大ないい方をしたらそういうことになるということでしかないのですが。
アメリカの歴史学者クリストファー・ラッシュによれば、現代はナルシシズムの時代だそうですから、そうなると、マーク・レヴィンソンのアンプは、まさに時代の産物ということになるのかもしれません。
それはともかく、これまでのマーク・レヴィンソンのコントロールアンプをぼくがよそよそしく感じていたことは、きみもしっての通りです。
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黒田先生が指摘されているところが、LNP2、JC2、それにML6(シルバーパネル)にはある。
そこのところが黒田先生という聴き手にとっては、嫌味のように感じられ、
瀬川先生という聴き手にとっては、魅力的ということになる。
30年前、まだハタチだった私という聴き手にとって、LNP2のそういうところは魅力的であり、
それだけにバウエン製モジュール搭載のシリアルナンバー1010のLNP2が、
素っ気ない(少し誇張したいいかたなのだか)感じに、音楽を聴こえてしまっていた。
あのころはマークレビンソンのアンプの音に惚れ込んでいた。