程々の音(余談)
この項で書いているコーネッタはフロントショートホーン付のエンクロージュアである。
ホーンがついているからホーンロードがユニットにかかる。
そのためエッジを傷める──、
今回、この項を書いていて、そういう説が世の中にあることを知った。
これと同じことで思い出したことがある。
遠くの人を呼ぶ時に両手を口の周りにもってきてメガホンのようにする。
こうするとホーンロードが喉に負担を与えて、こうやって話しつづけると喉が痛くなるでしょう、
というものがある。
いかにももっともそうな理屈で、意外にもこれに納得している人がいるようだが、
ほんとうにそうなのだろうか。
遠くの人を呼ぶ時には両手でメガホンをつくるだけでなく、大きな声をだしている。
喉を痛めるのは、ホーンロードによる喉の負担が増して、ではなく、大きな声を出しているからではないのか。
手でメガホンをつくって、ふつうの大きさの声で話す、としよう。
メガホンがあることで音(声)が周囲に広がってしまうのはなくなる分だけ、
聞き手に届く声は大きくなっている。
相手に同じ音の大きさで声を届けるのであれば、メガホンなしよりも小さな声ですむ。
これはホーンがついているスピーカーでも同じことである。