「理由」(その8)
1976年の後半、オーディオの本は、私にとって「五味オーディオ教室」だけだった。
はじめてのステレオサウンドは、この年の暮に出た41号だから、
それまでの数ヵ月は、「五味オーディオ教室」だけが、教科書だった。
それにいまと違い、インターネットという便利ものはないから、
それにまわりにオーディオをやっている詳しい人もいなかったから、わからないことは考えるしかなかった。
いまならば、Googleで、知りたい単語を入力して検索するだけで、
よほど変ったことでもなければ、かなりのヒット数がある。
この考えることが、想像を加速していた、と思っている。