同軸型はトーラスなのか(その18)
NFB以外で、これほど簡単に、追加する部品点数も少なくて、問題を解決できる手法があるだろうか。
補正信号の方向を、フォワードからバックにする発想の転換が、70年以上も有用な技術として使われ続けている。
NFBをかけたことによって、アンプが発振すると言われることがあるが、
NFB自体は、アンプを安定化するために生れてきた技術であり、きちんとかけることでアンプはその安定性を増す。
NFBは、本質的にひじょうに優れた技術のように思えてくる。
人間の身体にもフィードバックはある。フィードバックがあるから体験から学んでいける。
その学んだことをベースにフィードフォワードが成立する。
たとえば卵を、生れてはじめてつかむ。
当然力のいれ具合がわからないから、もしかするとつぶしてしまうかもしれない。
一度つぶした体験があれば、そこから学んで、次につかむときは力のコントロールを行なう。
このコントロールがフィードフォワードである。
そうやっていくつもの体験を経て、はじめて手にするものでも、ある程度の予測は可能となる。
なにか重たいものを持ち上げようとしたとき、あらかじめ力をこめる。
それで持ち上がるときもあるし、持ち上がらなければ、さらに力をこめる。
追加の力のコントロールがフィードバックである。