「いい音を身近に」(その7)
スピーカーシステムの位置と聴取位置の関係について考えるとき、まず思い出すのは、
ステレオサウンド 47号に黒田先生が書かれた、テクニクスのコンサイス・コンポについての文章だ。
そこには「ぼくのベストバイ これまでとはひとあじちがう濃密なきき方ができる」
というタイトルがつけられていた。
47号発売時の1978年には、テクニクス、ダイヤトーン、オーレックス、パイオニアから、
小型のコントロールアンプ、パワーアンプ、FMチューナーが、シリーズとして発売されていた。
そのなかで、もっとも小型化に成功していたのは、テクニクスのコンサイス・コンポだった。
コントロールアンプSU-C01、パワーアンプ SE-C01、チューナーST-C01で、
横幅は297mm、高さ49mmで共通、奥行きはだけはわずかに違い、
SU-C01が241mm、SE-C01が250mm、ST-C01が255mm。
パワーアンプの SE-C01は、スイッチング電源を採用していたはずだ。
黒田先生は、このコンサイス・コンポと、アナログプレーヤーのB&OのBeogram4000、
ビクターの小型スピーカーシステム、S-M3を、すべてキャスター付の白い台にのせられた。