程々の音(その13)
つまりはコーネッタの本当の音、と呼べる音を出しているのは、
ステレオサウンドの記事に載っているコーネッタ、それだけということになる。
ダイヤトーンが製作したモノだけ、ということになる。
だからといって、そのダイヤトーン製作のコーネッタだけが素晴らしい音で、
コーネッタ(SSL1)を購入し組み立てた人による音が、それよりも劣る、とは限らない。
私は耳にすることはなかったけれど、
ダイヤトーン製作のコーネッタよりもいい音を奏でているコーネッタは、きっとあると信じている。
スピーカーとは、そういうところがあるものだからだ。
コーネッタにはSSL1の他にも、いくつか出ている。
コーネッタの評判が良かったためであろう。
あるエンクロージュア・メーカーからは、15インチ同軸型ユニットように、
サイズを大型化したモノが出ていたし、
コーネッタと同じ寸法ながら、外観をオートグラフに似せたモノもあった。
それではコーネッタの音とは、いったいどんな音なのか。
ダイヤトーン製作のコーネッタの試聴記はステレオサウンドの記事に載っている。
これ以外に私がくり返し読んだコーネッタの音に関する文章は、
五味先生の「ピアニスト」である(新潮社「人間の死にざま」所収)。