マルチアンプのすすめ(その13)
メリディアンのM20は、好きなスピーカーのひとつである。
かなり心は動いた。
何度かステレオサウンドの試聴室で聴く機会があり、聴くたびに、買おうかなぁ、と思っていた。
M20の音、
それもメリディアンのCDプレーヤーとコントロールアンプで統一したときの音は、
私の好きな音を出してくれる。
しかも、その好きな音というのは、LS3/5Aに感じている魅力と同じ流れのものだから、
よけいに心が動いていた。
LS3/5Aに対する不満、
というよりもないものねだり、とでもいうべきか、願望として、
あとすこしスケールの豊かな音がしてくれれば、思わないわけではない。
メリディアンのM20は、その「あとすこし」というところを、
私にとってはうまい具合に満たしてくれていた。
LS3/5Aと M20の違い、
ユニット構成はすでに書いているように共通するところがある。
ウーファーがシングルかダブルかの違い、
エンクロージュアが密閉かバスレフかの違い、容積・プロポーションの違いなどがあり、
内蔵ネットワークかマルチアンプか、という違いもある。
これらのことが、どう音に関係してきて、LS3/5AとM20の音の違いとなってあらわれるのかは、
なんともいえない。
M20はLS3/5Aと共通する音色をもちながらも、LS3/5Aよりも安心して音楽を聴ける。
LS3/5Aの、少し神経質なところが、その魅力となっているわけだが、
そういうあやうい魅力はM20には感じなかった。