妄想組合せの楽しみ(カラヤンの「パルジファル」・その7)
ステレオサウンド 50号の「オーディオ巡礼」に登場された森忠揮氏は、
すでに書いているようにアンプはマランツのペア。
アナログプレーヤーは、RCAのターンテーブルにカートリッジはオルトフォンのSPU-A、
トーンアームはRF297で、シーメンスのオイロダインを鳴らされている。
森氏は1970年代後半にステレオサウンドに「幻聴再生への誘い」という連載を書かれていて、
ご自身の装置については、そこで触れられている。
私なら、オイロダインには、伊藤先生のアンプを組み合わせたい。
この項のタイトルがいくら「妄想組合せの楽しみ」としているとはいえ、
伊藤先生のアンプは一般的な意味での市販品とはいえない。
伊藤先生のアンプを除くとなると、
ずいぶんと音の傾向は違ってくるけれど、やはりオイロダインと同じドイツのアンプ、
ノイマンのV69aをパワーアンプとしたい。
コントロールアンプは、同じノイマンのWV2、
アナログプレーヤーは、別項で書いているようにEMTの927Dst。
入口から出口まですべてドイツ製になってしまった。
しかもずいぶんと昔の機器ばかりでもある。
いかなる音が響いてくるのか想像がつく部分とそうでないところもある。
クナッパーツブッシュの「パルジファル」は、こんな装置で一度でいいので聴いてみたい。
だが、この装置でカラヤンの「パルジファル」を聴きたいか、となると、
試しに一度は鳴らしてみたい、と興味半分で思わないわけではないが、
カラヤンの「パルジファル」を聴くとなると、まったく違うシステムを持ってこないと、
カラヤンの「パルジファル」の評価、というよりも、聴き方を、
間違うとまではいわないけれど、どこかズレたところで聴くことになりはしないだろうか。