Date: 11月 23rd, 2013
Cate: 岡俊雄
Tags:

アシュケナージのピアノの音(続・岡俊雄氏のこと)

アシュケナージ以前にも、ピアノのコンサートには数えるほどではあったが、行ってはいた。
アシュケナージの後にも、もっと多くのピアノのコンサートには行っている。

こと音に関してだけでいえば、アシュケナージの、このときのコンサートほど印象に残っているものはない。

アシュケナージの演奏を聴きながら、
ピアノの音に驚いていた。
ピアノから、こういう音が鳴ってくるのか、
こういう音をなんと表現したらいいのだろうか。

もうこうなるとアシュケナージの演奏を聴いている、というよりも、
アシュケナージの弾くピアノの音を聴いていた、というべきだろう。

しばらく考えていた。
浮んできたのは、マシュマロをおもわせる音、だった。
まるくやわらかく、ふわっとしている。
一音一音が、すべてそんな感じでピアノから上に向って、音が浮んでくる。
そんな感じだった。

マシュマロのような音だ、と思った次の瞬間におもっていたのは、
こういう音は、スピーカーからは出せないだろう、
どこまで技術が進歩したらスピーカーから、このときのアシュケナージのピアノの音が再現できるようになるのか、
そんなことをぼんやり考えていた。

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