岩崎千明氏と瀬川冬樹氏のこと(その14)
1960年代中ごろの瀬川先生のスピーカーの移り変りをみていくと、
グッドマンAXIOM 80からJBLへの移行といえる。
こまかいことをいえばジョーダン・ワッツが途中にはさまっているけれども、
これもAXIOM 80と共通するものを求めての選択であるから、
AXIOM 80からJBLへ、とみていい。
実際にそのことに「私のスピーカー遍歴」でも書かれている。
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そしていま、JBL-375がわたくしの部屋で鳴りはじめて一と月半になる。AXIOM-80がすきだといったわたくしとJBLの結びつきを、不思議だという人がたくさんあった。かってわたくしの部屋で鳴っていたAXIOM-80の音を、そしていま鳴っている375の音を知らぬ人たちである。わたくしにとってこの両者はすこしも異質でなく、AXIOM-80やJ・ワッツの延長線上に、375はごく自然に置かれている。誇張とかどこか不足といったものはまるで無く、品の良い節度を保ちながら限り無い底力を秘めている。
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AXIOM 80からJBLへ──。
岩崎先生もまたAXIOM 80からJBLへ、の人である。
瀬川先生よりも10年ほど早く、JBLはD130、それも一本。