オーディオ評論家の「役目」、そして「役割」(入力作業をやっていておもうこと・その1)
もうひとつのブログ、the Review (in the past)の入力作業をやっていると、
気がつくことがいくつかある。
入力している文章は、そのほとんどを掲載されているオーディオ雑誌が出た時に読んだものだ。
それをけっこう年月が経ってから入力していると、あれこれ気がつく。
読んでいただけでは気がつかなかったことでもあるし、
私自身が歳をとったから気づくようになったこともあるし、
the Review (in the past)という文章がメインのブログに再構成していることで気がつくこともある。
瀬川先生の製品紹介は、それが新製品であってもほとんど製品の技術的な説明は省かれることが多かった。
それとは反対に井上先生は、ことこまかに製品の技術的な説明を書かれていた。
正直読者だった10代のころは、瀬川先生の文章は楽しみにしていたし、
井上先生の文章にはそれほど関心をもてなかった。
なぜ、この人は、メーカーのカタログや広告をみればわかることを(たとえそれだけではないにしても)、
これだけ書くのだろうか……。
その意図がよくわからなかった。
けれどthe Review (in the past)の入力作業をやり始めたら、
わりと早く気づいたことがある。
こんなふうに掲載誌から、いわば抜きとって別の媒体に再掲載(公開)するときには、
しかもそれが書かれてから十分すぎる時間が経過している場合には、
井上先生の書き方もまたひじょうに大事だということに。