パラゴンの形態(その7)
すでに書いているようにステレオサウンド 60号の318ページには図面も載っている。
4520エンクロージュアのホーン開口部にHL88ホーンを取り付けた側面図である。
この図を見た人ならば、そこにパラゴンの図面が重なってくるであろう。
JBLのバックロードホーン型システムとして、C40 Harknesがよく知られているが、
このC40 Harknesより前にC34 Harknesと呼ばれる、やはりバックロードホーン型システムがある。
C40は横置きのエンクロージュアで、C34は縦置きでコーナー型という違いがある。
そのことを知っている人ならば、318ページの側面図を頭の中で90度傾けてしまうのだはないだろうか。
4520エンクロージュアのホーン開口部にHL88ホーンを取り付け、横置きにする。
ウーファー用のホーンに構造の違いはあるものの、パラゴンの思い起すには充分である。
C55は1957年に登場しているが、C55はC550の型番を変更しただけであり、
C550は1955年の登場である。
パラゴンは1957年。
登場した年代はパラゴンのほうが後ではあるが、
パラゴンは構想から製品化まで10年近い年月がかかっている、ときいている。
とすれば、C55(4520)エンクロージュアのホーン開口部にHL88を取り付けるという発想は、
パラゴンのユニット配置が先にあったから生れてきたものかもしれない。