Date: 9月 7th, 2013
Cate: 日本の音
Tags:

日本の音、日本のオーディオ(その27)

グレン・グールドは、ゴールドベルグ変奏曲の再録音に使ったヤマハのピアノ、CFについてこう語っている。
「これはコンピューターにまさるとも劣らぬエレクトロニック・マシーンだ。ぼくはチップ一枚はずんでやればいい」

ヤマハのCFが、こういうピアノであったからこそ、
グールドはゴールドベルグ変奏曲の反復指定を、再録音では行った、とは考えられないだろうか。

グールドはヤマハのCFを絶賛していた。
そういうピアノであったからこそ、それまでのピアノ、
それが気に入っていたピアノであったにしても、ヤマハのCFはそれ以上であったとしたら、
それまでのピアノでは困難だった表現も容易になった。

そう考えると、もし以前のピアノが運送途中で壊されることがなかったら、
グールドはかわりとなる新しいピアノを探すことはなかっただろう。
つまりヤマハのCFと出逢うことはなかった。

ヤマハのCFは、グールドにとって、音色のコントロールが非常に容易なピアノでもあったのではないのか。

これはあくまでも私の仮説でしかないのだが、
そう考えると、再録音で反復指定の前半を行っていること──、
反復指定では音色を意図的に自由に変えることもできるピアノがあり、
その微妙な音色の変化を、すくなくともそれまで以上にはっきりと録音できるようになった──、
だからグールドは反復指定を省かなかった。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]