Date: 8月 10th, 2013
Cate: チューナー・デザイン
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チューナー・デザイン考(ラジオのこと・その1)

チューナーのことをどこか軽視してきたのは、
新しい音楽、いままできいたことのない音楽とであうのは、レコード(LPやCDなどのパッケージソフト)だ、
という意識、こだわりが強かったためで、
聴きたいと思っている音楽が、聴きたいときに必ずしも流れてくるわけではない、
その意味では受動的な聴き方となってしまうラジオだから、ということがあった。

そんな私でも、いま目の前にチューナーがある。
それもパイオニアのExclusive F3という、立派なチューナーだ。
開発・発売から30年以上経過しているチューナーだから……、とは思わせない堂々としたモノだ。

優れたデザインとは必ずしもいえなくとも、このチューナーを見ていると、
ラジオ放送を聴く、ということを再考しなければならない、そんな気持にしてくれる。

それで思い出すのは、ケイト・ブッシュのことだ。

ケイト・ブッシュという、イギリスの不思議な歌手がデビューしていたのは、
当時読んでいたFM誌、それにそのFM誌が別冊で出した女性ヴォーカルのムックで知っていた。

東京で行われた歌謡音楽祭での写真を見て、
ケイト・ブッシュという歌手の音楽を聴くことはない、と実は思っていた。

その写真は、嵐が丘をパフォーマンスしながら歌うケイト・ブッシュだった。
そのケイト・ブッシュの服、マイクロフォンの位置、そういった歌とは本質的にまったく関係のないところで、
生理的な嫌悪感があり、聴くことはない、と思った。

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