チューナー・デザイン考(パイオニア Exclusive F3・その4)
アキュフェーズのT104は、同時期に発表されたコントロールアンプのC240、
パワーアンプP400との組合せを前提としてデザインされたチューナーである。
C240は以前書いているように瀬川先生によるデザインである。
ということはP400もT104も、瀬川先生のデザインと見るべきだろう。
ステレオサウンド 59号のベストバイの特集で、T104について書かれている。
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ほんらいは、コントロールアンプC−240、パワーアンプP−400とマッチド・ペアでデザインされた製品。三台をタテに積んでもよいが、横一列に並べたときの美しさは独特だ。だがそういう生い立ちを別としても、アナログ感覚を残したディジタル・メモリー・チューニング、リモートコントロール精度の高いメーター類などは信頼性が高い。そしてそのことよりもなおいっそう、最近の同社の製品に共通の美しい滑らかな音質が魅力だ。
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別々の人がそれぞれをデザインしていたとしたら、
「横一列に並べたときの美しさ」は生れなかったのではなかろうか。