598というスピーカーの存在(その9)
オーディオ評論(音を言葉で表現すること)の問題、
曖昧さ、難しさについてはここではこれ以上深入りしないけれど、
つまりは長岡鉄男氏がスピーカーシステムの試聴記事でスピーカーユニットの重量を量られたのは、
このところにある、といっていいはず。
JBLの2405の重量はカタログ発表値では2kgである。
この2kgという事実は、2405の音像が平面で切り張りと感じる人にとっても、
立体的と感じる人にとっても変らぬ事実である。
2kgを重いと感じるのか、軽いと感じるのか、こんなものだろうと感じるのかは人によって違ってきても、
2405の重量が2kgという事実は誰にとっても同じである。
つまり長岡鉄男氏は、誰にとっても事実であることを文字とされたわけである。
このことに関しては、私が長岡鉄男氏の熱心な読者ではなく、
ほとんど読んでいない読者だけに記憶に曖昧なところがあるけれど、
スピーカーユニットの重量やアンプのボリュウムのツマミの重量を量ることについて、
長岡鉄男氏自身が書かれている記事を読んだ記憶がある。
つまりすべての人にとって変らぬ事実というのは、重量ぐらいしかない、ということだった。