妄想組合せの楽しみ(その22)
真空管アンプでは、出力が50Wをこえるあたりから(できれば70W以上はほしい)、
トランジスターアンプにくらべれば小さな値ではあっても、
出力の余裕から生れてくるものが感じとれるような気がする。
70Wクラスのパワーアンプといえば、マッキントッシュのMC275が75W+75W、マランツのModel 9が70W。
もう少し新しいところではマイケルソン&オースチンのTVA1が70W+70W、ジャディスのJA80が80W。
マランツだけが出力管はEL34のパラレルプッシュプルで、あとの3機種はKT88のプッシュプル。
個人的には出力管をパラレル使用はしたくない。
となると使える真空管は限られてくる。
ウェストレックスに、RA-1574-Dというアンプがある。
出力管は7027のプッシュプルで、出力は75W。
このアンプは、WESTREX 3D STEREODISK SYSTEM に使われている。
つまりカッターヘッド用のアンプである。
パワーアンプ部を見ると、初段は12AU7で、次段が12AU7のP-K分割、12BH7で増幅したあと、
7027の固定バイアスの出力段となっている。
RA-1574-Dの回路図を見たときから、これでスピーカーを鳴らしてみたら……と妄想していたのである。