広告の変遷(ソニーのこと・その1)
ソニーのスピーカーシステムSS-G7の登場と、私がオーディオに関心をもち始めたころとは近い。
それまでのソニーのスピーカーシステムとはまったく印象の異った、
堂々とした感じさえ受ける外観のSS-G7を見て、欲しいと思ったことは一度もないけれど、
不思議と印象に残り続けているスピーカーシステムである。
自分のモノにしたいという気持はいまも持っていないが、
でも機会があれば、いい状態のSS-G7を聴いてみたい、ではなく、
自分の手で鳴らしてみたい、とはおもっている。
ソニーのスピーカーシステムで、そんなふうにおもうのは、
私の場合、SS-G7の他はAPM8だけである。
そんなふうにおもい続けているのは、
当時のソニーの広告もいくらかは影響している、と思う。
その広告とは中島平太郎氏が、木製の椅子に腰かけている。
スタジオでの撮影だから背景には何もない。
手にはティーカップ。
中島氏は、すこし斜め下をみている。
ティーカップをみているわけではない。
視線の先にあるのは、一台のSS-G7。
この写真が見開きで載っていた。
いままでいくつものソニーのオーディオ機器の広告をみてきているけれど、
この広告ほど印象に残っているものはない。