型番について(その5)
オーディオ機器の大半の型番はアルファベットと数字の組合せであり、
アルファベットに関しては何かの略(頭文字をとったもの)であることが多い。
だから昔から型番のアルファベットの部分については、あれこれ想像していた。
たいては、これだな、と思える理由が見つかるのだが、
長いことわからなかった型番(アルファベット)もある。
そのひとつがセレッションのUL6という小型のスピーカーシステムである。
UL6が登場するまでのセレッション・スピーカーのラインナップはDittonシリーズだった。
トールボーイのフロアー型Ditton66を筆頭に、いくつかのモデルが存在し、
セレッションらしい音を響かせていた。
そこにUL6が登場する。
この当時、ULとつくセレッションのスピーカーシステムはこれだけだった。
ということは、Dittonシリーズとはあきらかに目指す音の方向性が異ることを表している、とみるべきだろう。
UL6はずっと以前に一度だけ聴く機会があった。
Dittonシリーズとの直接の比較試聴ではなかったけれど、
このスピーカーにセレッションがUL6という型番を与えたことがわかるくらいに、
Dittonとは違う、新しさのあるセレッションの音だった。
それにしてもUL6の「UL」とはどういう意味があるのか、頭文字としたら、いったいなんなのだろうか。
最初は、LはloudspeakerのLかと思った。
だとするとUはなんなのか。
これが思い浮ばなかった。
これが中学生のときだった。
それからいろいろ勉強して、真空管アンプのことも勉強して、
ここにもULという略語が登場することを知った。
ultra linearの頭文字である。
この時、UL6とUltra Linear 6なのか、と思ったものの、確証はなかった。
けれど、やはりUltra Linear 6だったことが、つい最近わかった。
となるとUL6同様、新しいセレッションの音の代表となった、
UL6の数年後に登場したSL6の型番の意味は、なんなのだろうか。