オーディオ評論家の「役目」、そして「役割」(「土」について)
「松下秀雄氏のこと」のところで、
松下氏のことを、それまでなかった「土」という喩えで書いた。
そして、ステレオサウンド創刊当時からのオーディオ評論家の人たちを、
その「土」があったからこそ芽吹き育っていった、それまでなかった「木」になっていった、と書いた。
その「木」はそれまでなかった「実」をつけた。
残念なことに、それまでなかった「木」にも寿命があった。
けれど、それらの、それまでなかった「木」は寿命を迎えて、
何も残さなかったわけではない。
それまでなかった「木」は「土」に還っていった。
その「土」のうえに、さらにそれまでなかった「木」が芽吹き育っていくはずだった……。