岩崎千明氏のこと(その25)
岩崎先生は、何と対決されていたのだろうか。
スピーカーから鳴ってくる(向ってくる)音楽との対決、だけではなかったようにも思う。
「自分の耳が違った音(サウンド)を求めたら、さらに対決するのだ!」。
このことば、いままで出していた音と違う音を、耳が求めたら、というふうに読める。
これもそれだけではないように思う。
これは、オーディオの知識を得ることによって頭の中に出来上ってくる固定概念との対決、
という意味も含まれている。
そう確信している。
岩崎先生は、何と対決されていたのだろうか。
スピーカーから鳴ってくる(向ってくる)音楽との対決、だけではなかったようにも思う。
「自分の耳が違った音(サウンド)を求めたら、さらに対決するのだ!」。
このことば、いままで出していた音と違う音を、耳が求めたら、というふうに読める。
これもそれだけではないように思う。
これは、オーディオの知識を得ることによって頭の中に出来上ってくる固定概念との対決、
という意味も含まれている。
そう確信している。
昨年秋、また瀬川先生が書かれたメモとスケッチをいただいた。
その中に、BBCモニター、というよりもロジャースのPM510についてのメモがある。
1年前の今日も、瀬川先生のメモを公開した。
今年は、去年に比べるとずっと量は少ないが、このPM510についての「メモ」を公開する。
*
◎どうしてもっと話題にならないのだろう、と、ふしぎに思う製品がある。最近の例でいえばPM510。
◎くいものや、その他にたとえたほうが色がつく
◎だが、これほど良いスピーカーは、JBLの♯4343みたいに、向う三軒両隣まで普及しない方が、PM510をほんとうに愛する人間には嬉しくもある。だから、このスピーカーの良さを、あんまりしられたくないという気持もある。
◎JBLの♯4345を借りて聴きはじめている。♯4343よりすごーく改良されている(その理由を長々と書く)けれど、そうしてまた2歩も3歩も完成に近づいたJBLを聴きふけってゆくにつれて、改めて、JBLでは(そしてアメリカのスピーカーでは)絶対に鳴らせない音味というものがあることを思い知らされる。
◎そこに思い至って、若さの中で改めて、Rogers PM510を、心から「欲しい」と思いはじめた。
◎いうまでもなく510の原形はLS5/8、その原形のLS5/1Aは持っている。宝ものとして大切に聴いている。それにもかかわらずPM510を「欲しい!!」と思わせるものは、一体、何か?
◎前歴が刻まれる!
*
内容からして、なにかの原稿のためのメモであろう。
そして最後の1行の「前歴が刻まれる!」だけ、インクの色が違う。しばらくたってから書き足されている。
注意:若さの中で改めて、とあるが、「若」の字がくずしてあり、他の漢字の可能性も高いが、
ほかに読みようがなく、「若さ」とした。
結局、造詣の深さとは、どれだけ多くのことを知っている、ではなくて、悟っていることなんだろう。