誰からか聞いたのか、それともなにかで読んだのかもさだかではないが、
瀬川先生はKEFのLS5/1Aを2組(つまり4台)所有されていたことを、ずいぶん前に知っていた。
ただ、瀬川先生が亡くなられたあと、ステレオサウンドで一時的に保管されていたLS5/1Aは1組だった。
そのとき、「あれっ?」と思っていたが、もう1組のことを誰かにきくこともしなかった。
このLS5/1Aがその後、どうなったのかはわかっている。
もう1組はどうなっているのか、そもそもほんとうに2組所有されていたのかも、
はっきりと確認しようもないと思っていた。
ステレオサウンド 38号の、瀬川先生のリスニングルームの写真にも、
写っているのはJBLの4341とLS5/1Aが、1組ずつだ。
けれども世田谷・砧に建てられたリスニングルームの写真を見ると、やはりLS5/1Aは2組写っている。
同じカットでないだけにすこしわかりにくいが、傅さんが1979年にFM fanの企画で、
瀬川先生のリスニングルームを訪ねられたときの記事に、リスニングルームのイラストが載っている。
これと、1979年秋にステレオサウンドから出た「続コンポーネントステレオのすすめ」に掲載されている
瀬川先生のリスニングルームの写真を照らし合わせると、たしかにあることがわかる。
部屋の長辺側に、4343WXが置かれ、その内側にセレッションのDitton66がある。
リスニングポイントの左側の壁に、外側からLS5/1A、もう一台LS5/1A、内側にスペンドールのBCII、
そのうえにLS3/5Aが置かれていてる。
外側のLS5/1Aの上には、パイオニアのリボントゥイーター、PT-R7がある。
この写真だけだと1組のLS5/1Aをまとめて置かれているようにとれるが、
別カットの写真、4343の対面、つまりリスニングポイントの後ろ側の壁の写真、ここにもLS5/1Aが2台あり、
そのすぐそばにマークレビンソンのML2L、その前にSAEのMark 2500、
ML2Lの隣に、アキュフェーズC240、その上にLNP2L、
その横にアキュフェーズのFMチューナーやヤマハのカセットデッキがあり、
EMTの927Dstが、ほぼリスニングポイントの後ろに存在感たっぷりにいる。
スチューダーのA68、EMTの930stは、BCIIの間に置いてある。
ちなみに930stの専用インシュレーター930-900の上にガラス板を2枚置いたものが、
部屋の中央に、テーブルとして使われている。
見ようによっては、なかなかモダーンなテーブルである。
LS5/1Aが2組あったことは、やはり事実だった。
となると、もう1組は、目黒のマンションへの引越し時に、どなたかに譲られたのか、手放されたのか。