Archive for category テーマ

Date: 7月 4th, 2024
Cate: 「本」

オーディオの「本」(古賀書店の閉店・その4)

一年ほど前から狛江に行く機会が増えた。
毎月第一水曜日は、audio wednesdayで行くし、
それ以外でもたまに行くとこがある。

狛江には、これまで行くことはなかった。
狛江駅も一年ほど前が、初めての利用だった。

改札を出ると高架下に啓文堂という書店があった。
狛江駅付近で、ただ一軒の書店であったけれど、再開発とかで、
さほど経たずに閉店になっていた。

その啓文堂が、先月末に開店している。
場所は以前のところより、少し離れているが、
代わりに広くなっている。

それだけでなく、以前の店舗では、オーディオ雑誌は、なぜか鉄道コーナーにあった。
取り扱っている雑誌も、わずかだった。

それが新店舗では、鉄道コーナーではなく、音楽コーナーになっているし、
雑誌の数も増えている。

それだけのこと、といってしまえることだろうが、
それでもオーディオ雑誌の扱いが減ったりなくなったりしているのが、
当たり前のことになっているだけに、
今回の啓文堂の再オープンは、利用することはないけれど、
嬉しいことのひとつだ。

Date: 7月 3rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜

audio wednesday (next decade) – 第七夜は、8月7日である。
時間、場所はこれまでと同じ。

5月の第四夜と同じスピーカー、757Aのレプリカを鳴らしてみようと考えている。

タイプはまるで違うが、パワーアンプを二台用意できる。
アキュフェーズのA20VとマッキントッシュのMC275である。
それにアキュフェーズのデヴァイダー、DF35も持ち込み済み。

マルチアンプで757Aレプリカを鳴らせる。
DF35はデジタル信号処理で、ユニットの前後位置の補正が可能。

757AレプリカのホーンはJBLの2397で、ドライバーは2420なので、
スロートアダプターを、2328と2327を使うことになり、
ウーファーのボイスコイル位置とドライバーのボイスコイル位置は、
さらに広くことになる。

これをデジタル信号処理することで、どんなふうに音が変化するのか、
そのことによって音楽の表情がどう変っていくのか。

これまでとは趣向をかえてみようと考えている。

Date: 7月 2nd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第六夜(いよいよ明日)

1月の序夜から始まったaudio wednesdayも半年(六回)が終った。
7月からの後半のスタートでは、もう一度、序夜で鳴らしたメリディアンのDSP3200を鳴らす。
序夜でのDSP3200の音を聴いていて、
そして聴き終ってからも、あることを考えていた。

DSP3200にエラックのスーパートゥイーター、
4PI PLUS.2を足したらどうなるのか。
その音を想像するだけで、ひとりワクワクしていた。

不安もないわけではない。
DSP3200はウーファーとトゥイーターの時間軸を揃えてある。
そこにスーパートゥイーター、
それも放射パターンが大きく違うモノを加えて、
果たしてうまくいくのか。

やってみないことと、わからない。
ワクワクがドキドキに変っていくのだろうか。

パワーアンプ内蔵のアクティヴ型だが、相棒といえるメリディアンの218との組合せでは、スーパートゥイーターを足すこともさほど難しいことではない。シンプルで完成されたシステムでありながらも、こういった拡張もまた可能である。

7月の音は、1月の序夜を聴いた人にぜひ聴いてもらいたい。

Speaker System: Meridian DSP3200
Super Tweeter: ELAC 4PI PLUS.2
Power Amplifier: Accuphase A20V
D/A Converter: Meridian 218

Date: 7月 1st, 2024
Cate: オーディオ評論, ジャーナリズム

オーディオ評論家は読者の代表なのか(その24)

ソーシャルメディアを眺めていると、
時々、ファッションモデルと女優の比較写真が表示される。

ファッションモデルも女優も、同じドレスを着ているから、
その着こなしの違いが、はっきりと出ている。

こうも違うのか、
と一流のいわれるファッションモデルの着こなしは見事だ。
ドレスが主役なのか、着ている自分が主役なのか、
その意識の違いも関係してのことなのだろうが、
それにしても女優の着こなしは……、そんなふうに感じてしまうほどだ。

こんなことを書いているのは、オーディオ評論家は、
立場としてどちらなのか、だ。

スピーカーというドレスを、どう鳴らすのか。

Date: 6月 30th, 2024
Cate: 再生音

再生音に存在しないもの(その6)

再生音に存在しないものについて考えるということは、
再生音にだけ存在するものについて考えることでもあり、
こんなことを考えなくても、
スピーカーから鳴ってくる音を聴くことはできる。

むしろこんなこと考えずに聴いた方がいいに決まっている。
そんなことはわかっていても、
それでいいのかとも、また思ってしまう。

Date: 6月 29th, 2024
Cate: 「オーディオ」考

オーディオの罠(その10)

自己模倣という純化の沼にはまってしまったら、
心に近い音には近づかないだけでなく、
気づきもしないかもしれない。

しかも、自己模倣という罠は、
案外心地よいのかもしれないから、やっかいだと思う。

Date: 6月 28th, 2024
Cate: アナログディスク再生

私にとってアナログディスク再生とは(SME 3012-R Special・その6)

ステレオサウンド 127号のレコード演奏家訪問は、長島先生だった。
ここで、菅野先生と長島先生が語られていることは、
まだ読んでいないという人はぜひ読んでほしいし、
オーディオを介して音楽を聴くという行為で、
大事なことはなんなのかを感じとれるはずだ。

とはいえ、ここで書きたいのはそういうことではなく、
アナログプレーヤーに取り付けられているトーンアームのことだ。

以前別項で、SMEのSeries Vは、
長島先生のアイディアだろう、と書いた。
だからこそ長島先生は、すぐにSeries Vを導入された。

なのに127号の写真をみると、
トーンアームがSeries Vではなく、3012-Rだった。

なぜSeries Vではないのか、
なぜ3012-Rなのか。

いまとなっては、その答をきくことはできない。
それでも問い続けているからこそ、いまこれを書いている。

Date: 6月 27th, 2024
Cate: ディスク/ブック

“盤鬼”西条卓夫随想録(届く)

2月に届く予定だった「「“盤鬼”西条卓夫随想録」が、
ようやく届いた。
遅れた、といえばそうなのだが、
隔月刊となったラジオ技術が、
ほとんど不定期刊行になってしまっているのだから、
6月に届いたのだから、
予想よりも早かったぐらいに受け止めている。

「随想録」と「私の終着LP」は、
ラジオ技術掲載時に読んでいる。
それでも、こうやってまとめて、そしてあらためて読めるのは、
やはりありがたいことである。

昨年、休刊になったレコード芸術が、
今年、オンラインで復活する。

時代が違う、
レコード芸術とラジオ技術という掲載誌の性格の違い、そんなことよりも感じるのは、書き手の覚悟の有無である。

Date: 6月 26th, 2024
Cate: アナログディスク再生

私にとってアナログディスク再生とは(SME 3012-R Special・その5)

いま別項で「純度と熟度」について書いている。
そこで触れている高い純度と高い熟度のバランス、
これを実現している(私がそう思っているだけにしても)モデルは、
そう多くはない。

SME 3012-R Specialは、唯一の例とまではいわないものの、
数少ないモデルの一つである。

なぜ、そうなのかを説明はしない。
3012-R Specialを、きちんと使ったことのある人ならば、
納得されるはず。

Date: 6月 25th, 2024
Cate: アナログディスク再生

私にとってアナログディスク再生とは(SME 3012-R Special・その4)

自転車(ロードバイク)のフロントフォークも、
いまやストレートフォークばかりになっている。

ストレートフォークを最初に採用したのは、
イタリアのコルナゴのはず。
1990年代の半ばごろから登場してきた、と記憶している。

ストレートフォークが登場したばかりのころ、あんまり美しくないなぁ、と思っていた。
それまでのロードバイクのスタイルとのあいだに違和感を覚えていた。
なんだろう、この違和感は……、と、
なぜそう感じるのだろうか、
とあれこれ考えていた時期があった。

従来の、先端がカーヴしているベンドフォークは、
いまでは限られたモデルのみである。

いまではストレートフォークであっても、登場まもないころの違和感は、ほとんど感じなくなった。
こちら側が慣れてしまっただけなのかそう思うことはない。

ベンドフォークのロードバイクを見ると、
やっぱりベンドフォークだ、と思うからだ。

ストレートフォークのロードバイクは、乗ったことがない。
乗れば、やっぱりストレートフォークだな、と、
ころっと変ってしまうかもしれないが、
そうなったとしても、ベンドフォークは美しい。
このことにかわりはない。

プロの自転車乗りならば、勝利が求められているのだから、
どちらが美しい、とかは関係ない。
勝てる機材としてのロードバイクであって、
そのためのストレートフォークなのだろう。

細身のベンドフォークと3012-R Special。
決して懐古趣味からそう感じるわけではない。

Date: 6月 24th, 2024
Cate: ディスク/ブック

ブラームス 弦楽六重奏曲第一番 第二番(その14)

十一年ぶりの引越しだった。
一つのところに十年以上住んだのは、
東京で暮らすようになってからでは、ここだけだった。

十一年前の引越しはさほど大変ではなかった。
でも今回は大変だったのは、
少しずつ、いろんなモノがたまって、増えていっていたからなのは、
最初からわかっていたけれど、それでも多かった。

とにかく今日は部屋に収めただけという状況で、
これもiPhoneで書いている。
なので、まだスピーカーから音は鳴っていない。

ラルキブデッリによるブラームスの弦楽六重奏曲が聴けるようになるのは、
もう少し先になる。

Date: 6月 23rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第五夜を終えて(その3)

昔からいわれていることを、実感していた。
モノーラル録音は、モノーラル再生すること、である。

つまりスピーカーを片側一本だけにして聴く。
そのことの重要性を、あらためて感じていた。

左右のスピーカーシステムの特性が、どの項目においても完全に一致していて、
聴いた印象においても、まったく同じ鳴り方をするのであれば、
さらに部屋の条件も、左右のスピーカー周りにおいてまったく同一であり、
とにかく部屋を含めて左右の特性、条件がすべてにおいて完全一致している、
そんな理想的な状態ならば、モノーラル録音を、左右のスピーカー二本で鳴らしても、
今回のような結果が得られるのかもしれないが、
それだけのことを実現するのは、まず無理といっていい。

ならばどちらか片方のスピーカー、もしくはモノーラル録音専用に、
一本だけのスピーカーを用意するか。どちらかである。

モノーラル録音を、左右二本のスピーカーで再生した場合、
左右のスピーカーから発せられた音は空間合成されるわけだが、
左右のスピーカーの音が完全に一致していることはまずありえない。
部屋の条件が、そこに加わるわけで、そういった状況下では空間での音の合成は、
打ち消される、もしくは弱まるところも生じているはずだ。

それはほんのわずかなことなのかもしれないが、
こうやってモノーラル録音を一本のスピーカーだけで聴いた時の、
演奏の表情の豊かさは、やはり二本のスピーカーでの再生は、
なにかが打ち消されている──、そうとしか思えない。

ヌヴーのヴァイオリンも素晴らしかったし、
カスリーン・フェリアーの歌も素晴らしかった。

菅野先生もモノーラル録音を聴かれるときは、片方のスピーカーだけで鳴らされていた。

Date: 6月 22nd, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その5)

今日からOTOTENなのだが、今年は行けそうにない。
引っ越しの準備もあるけれど、引っ越しがなかったとしても無理。

オーディオショウなんて──、という人は少なくない。
行ったところで、いい音が聴けるわけでもないし──、
そんなことを言う。

その気持もわからないでもないが、行けば楽しい(というか楽しめる)わけで、
たとえ二時間程度であっても、時間がとれれば行くようにしていたけれど、
今年はそれすら無理。

(その2)で書いているが、
ハーベスの輸入元がエムプラスコンセプトからサエクコマースにかわっている。

ハーベスも、聴きたかったモノの一つだったけれど、聴けずじまい。

Date: 6月 21st, 2024
Cate: ディスク/ブック

ブラームス 弦楽六重奏曲第一番 第二番(その13)

今度の月曜日(6月24日)に引っ越す。
新しい部屋で最初に鳴らすのは、
ラルキブデッリによるブラームスの弦楽六重奏曲かな、とおもっている。

それに7月3日のaudio wednesdayでも、かけようとおもっている。

Date: 6月 21st, 2024
Cate: 言葉

心に刻みたい言葉(その3)

「神を視ている」
五味先生の「マタイ受難曲」に、「神を視ている」は出てくる。