Archive for category 真空管アンプ

Date: 3月 23rd, 2009
Cate: 真空管アンプ, 長島達夫

真空管アンプの存在(その38)

SMEではなく、オルトフォン・ブランドのSPA1HLが登場したとき、取材・試聴は長島先生だった。

普段どおり試聴ははじまった。
数枚のレコードを聴いた後で、満足げな顔をされた長島先生が、「どうだい?」と、
私がどう感じたのか、きいてこられた。
その後、「内部を見てみよう」と言って、天板を取り、説明してくださった。

その詳しさと言ったら──
長島先生が設計者本人なんだな、ということがわかるほどだった。

説明は、裏板まで取って、続いた。
さらに「このコンデンサーを見つけ出すのが大変だったんだよ」まで言われた。
国内外の著名なコンデンサーは、ほとんどすべて試聴した上で、選択されたもので、
いわゆるオーディオ用と呼ばれている部品ではないし、私も初めて見るコンデンサーだった。

間接的に、自分が設計者と言われている発言だが、それでも「設計した」とは言われないので、
だから、こちらもあえて問わずに、
誰かに、説明するのが楽しくて嬉しくて、といった長島先生の話を、楽しく、ずっと聞いていた。

Date: 3月 15th, 2009
Cate: 真空管アンプ, 長島達夫

真空管アンプの存在(その37)

ステレオサウンド別冊のHIGH TECHNICシリーズのVol.2で、長島先生は、
ジョン・カールのローノイズ化の手法を高く評価されている。

私がステレオサウンドで働きはじめたころも、長島先生は、
「ジョン・カールの、あの手法は巧妙で、見事だよ」と言われていたのを思い出す。

それがいつの日からか、トランジスターや真空管などの能動素子を並列接続して、
ノイズを打ち消すことによってSN比を高めるジョン・カールの手法に対して、
「ノイズを打ち消すとともに、ローレベル領域の信号も打ち消している」と、はっきり言われるようになった。
たしか1984年ごろからだっただろう。

どんなにリニアリティの揃っているものを選別しても、ローレベルのリニアリティがぴたっと揃っているわけでなく、
だからこそノイズを打ち消すこともできる反面、信号も失われていく、
そんなふうに説明してくださった。

そして、その打ち消されてしまう信号領域こそ、音楽の表情を、
活き活きと豊かなものにしてくれるかどうかを、大きく左右する、とつけ加えられた。

そのころは、なぜ、突然、能動素子の並列接続に対する評価を変えられたのか、理由はわからなかった。
しばらく経ち、オルトフォン・ブランドで最初は登場したSMEのフォノイコライザーアンプ、
SPA1HLが、その答えとなった。

Date: 2月 25th, 2009
Cate: 真空管アンプ, 長島達夫

真空管アンプの存在(その36)

私にとっての真空管アンプの手本は、まだある。
audio sharingで、その資料集を公開しているウェスターン・エレクトリック、
それからテレフンケン、ノイマンの、真空管全盛時代のアンプ群、
それから長島達夫先生のこともあげておきたい。

長島先生は、マランツの#7と#2の組合せを使っておられた。
その長島先生が設計・監修をなされたのが、
SMEから1986年に出たフォノイコライザーアンプSPA1HLと
翌87年に登場のラインアンプSPLIIHEの2機種である。

もちろん、どちらも真空管式で、マランツ#7への長島先生の恩返しでもある。

SMEのアンプは長島先生の設計だ、というウワサを耳にされた方は少なからずおられるようで、
私も数回、訊ねられたことがある。そのときはすっとぼけていたが、
ステレオサウンド別冊「往年の真空管アンプ大研究」のなかで、是枝重治氏が272ページに書かれている。
     ※
本誌創刊(註:「管球王国」のこと)前の『真空管アンプ大研究』の取材時の出来事ですが、帰路の車中で長島達夫先生が発した「僕が設計した某ブランドの球プリアンプは、マランツ#7への恩返しだった」とのお言葉は、今でも耳に残っています。
     ※
「マランツ#7への恩返し」は、私も長島先生から直接聞いている。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その35)

昔からのオーディオマニアは、マランツやマッキントッシュ、QUADを見たり聴いたり、
実際に自分のモノとして使われた方も少なくないだろう。

#7やC22、22などを見慣れた目からすると、「遅れてきたガレージメーカー」の真空管アンプをみると、
私みたいに、ついつい細かいことを言いたくなる人もおられるだろう。

私にとって、真空管アンプの手本、見本は全盛時代の真空管アンプであり、
伊藤喜多男先生のアンプである。

1977年ごろの無線と実験に載ったシーメンスEdの固定バイアスのプッシュプルアンプ、
サウンドボーイに、詳細がカラーページで紹介されたEL34のプッシュプルアンプ、
そしてコントロールアンプのRA1501、
これらの記事を穴が開くほどじっくり見て読んできた者からすると、
遅れてきたガレージメーカーのアンプは、詰めが甘いと感じてしまう。

ヒーターに関してもそうだ。
半導体アンプには存在しない、このヒーターの処理をどうするかは、ひじょうに重要なことである。
ヒーター(フィラメント)こそ、真空管の源と言えるのに、
信号回路に直接的でないためか、安易に処理してしまっている印象がつよい。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その34)

最近では、真空管に嵌めるリング状のアクセサリーが出ていることからもわかるように、
真空管に対する振動面での配慮が、実際の音、そして聴感上のSN比に大きく関わってくる。

ボリュームをあげて、真空管を指で軽く弾くと、スピーカーから音が出る。
シールドケースを被せて、同じく指で弾くと、当然のことで、スピーカーからの音も変化する。
シールドケースの違いによっても、音は変化する。

真空管に向かって大きな声で叫んでみるのもいいだろう。
できればフォノイコライザー部の真空管で、試してみてほしい。

ここが真空管と半導体素子との大きな違いであり、
ヒーター(フィラメント)の有無も、またそうである。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その33)

カウンターポイントのデビュー作SA1の設計者は、エドワード・スマンコフ(彼が創業者でもある)、
SA2とSA1の後継機SA5の設計は、1982年から社長に就任したマイケル・エリオットに手による。
SA5になり、SA1にあった不安定さはなくなった。
SA2と同じ設計者とは思えないくらい、不安は感じることなく安心して使えるようになった。

ただ、それでも、マランツ#7のようにSPUをダイレクトに接続できるかというと、
全段NFBを排した無帰還設計で、当然RIAAイコライザーはCR型となり、
NF型イコライザーと比較すると物理的なSN比の面では不利なのは仕方ないとしても、
エリオットがいうところの「真空管のローレベルのリニアリティのよさ」が、
全面的に音に反映されていたのかというと、どこかしら、まだ抜け切っていないところが感じられた。

SA1とSA5は、シャーシーもパネルフェイスも共通、内部コンストラクションもほぼ同じ。
真空管は水平方向に、細長いプリント基板に取りつけられ、小さなゴムプッシュで、
申し訳なさそうにフローティングされている。

#7も、真空管を水平方向で使っている。
それでも真空管を取りつけているサブシャーシーは、
プリント基板のようなフレキシブルなものではなく、
しっかりしたものに固定した上で、フローティングしている。

外部振動による影響が、トランジスターよりも、音や性能に出やすい真空管を、
フレキシブルなものに取りつけ、それをフローティングしたら、
振動対策としては、逆効果な面も生じてしまう。
ただフローティングすれば終り、というわけではない。

#7は真空管全てにシールドケースを被せている。
SA1もSA5も熱対策のためシャーシーの天板、底板には大きめの空気穴が開けられていて、
シールドケースも使っていない。
いろんな電波が飛び交っている環境下で使うには、やや不安を感じてしまう。

といっても、ただシールドケースを被せればそれで解決するわけでもなく、
昔から真空管アンプをいじってこられた方ならば、
シールドケースの違いによって、音がときには大きく変化することに気がつかれているはず。

私が個人的に使った範囲でいえば、IERCのシールドケースがもっともよかった。
黒の艶消しの塗装で、内部には魚のウロコ上のフィンが多数ついているタイプである。
中には、絶対真空管には被せたくないと、音の面で、そう思わせるものもあった。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その32)

マークレビンソンもカウンターポイントも、創業時は、どちらもガレージメーカーと呼ばれる規模から、だった。
それでもマークレビンソンは、それまでのトランジスターアンプと比較して格段のSN比の高さを誇っていた。
音に関しては、人それぞれ評価は異るだろうから、ここではあえて言わないが、
少なくとも性能面において、素晴らしい面を誇っていた。

カウンターポイントはどうだろう。
それまでの真空管アンプ、つまりマランツ#7やマッキントッシュのC22などの、
真空管アンプ全盛時代の、つまり20数年前のアンプと比較して、性能面で圧倒的に優れていたといえるだろうか。
SN比、安定度の面で、少なくとも、私は不満を感じていた。

この項の最初のほうで述べたように、なにもカウンターポイントに限ったことではない。
なのに、カウンターポイントばかりを取りあげるのは、
前述したように、SA5000(3000)で、それらの不満点をほぼ解消しているからだ。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その31)

マークレビンソンのコントロールアンプは、型番にLNP(Low-Noise Preamplifier)とつけているだけあって、
SN比の高さは見事だった。

井上先生も、マランツ#7以降、トランジスターアンプの時代になっても、
オルトフォンのSPUをダイレクトに接続できるコントロールアンプは、LNP2が登場するまで、
ほとんど存在していなかった、と言われていた。

LNP2のSN比の高さもさることながら、
真空管式であること、登場は1958年ということを考え合わせると、
マランツ#7のSN比の高さ(聴感上のSN比も含めて)は、驚異的といえるだろう。

カウンターポイントのイメージを、勝手にマークレビンソンと重ね合わせ、
ローノイズを期待していたのは私の一方的な思いにしかすぎないのだが、
それでも、マランツが実現できていたSN比を、
20数年あとのカウンターポイントが、なぜできないのかと思うのは、当り前のことだろう。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その30)

正確に、どのくらい後だったのかは憶えていないが、井上先生から、
マランツの#7に、トランスもヘッドアンプも通さずに、
オルトフォンのSPUをダイレクトに接続したことがあるという話をきいた。

初期の#7だと、SPUのダイレクト接続では発振してしまうが、
位相補正が変更された後期の#7では発振は起こらなかったそうだ。
ただし、すこし不安要素は残っていたようだとも話された。

肝心のSN比に関しては、驚くことに、問題なく鳴ったとのこと。
真空管アンプで、なんらかの昇圧手段を使わずにSPUが使え、鳴ってしまうというのは、
井上先生にとっても考えられなかったことだったらしい。
それでも実際に試されているところが、井上先生のオーディオの楽しみ方のすごいところだ。

マランツ#7でSPUが実用になるのかぁ。
#7は、電源トランス内蔵だし、コントロールアンプとしての機能もきちんと備えているにも関わらず、
ノイズレベルに関しては、ほぼ問題ないわけだ。

なのにカウンターポイントのSA2はなぜ……、と当然だけど、そう思ってしまう。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その29)

High-TechnicシリーズのVol.2をくり返し読んでいた私は、
真空管でヘッドアンプをつくるならば、ノーロイズの真空管の選定のほかに、
2本、3本……と並列接続するんだろうな、と漠然と考えていた。

それに機械的な電極をもつ真空管だから、振動によるマイクロフォニックノイズ対策はしっかりと必要になるし、
ヒーターの電源にも、十分な注意が必要になる。
それにすこしでもノイズレベルを下げるために、誘導ノイズの原因となる電源トランスは外付けにして……、
そんなこと考えているだけで、この頃は楽しかった。

こんなこともあって、ステレオサウンドで働きはじめたばかりのころ、
いきなり聴く機会にめぐまれたカウンターポイントのSA2への期待は、
試聴が始まるまでの、わずか数時間のうちにみるみる高まっていった。

山中先生の試聴だった。
真空管でヘッドアンプは無茶な試みなのか……。
そう感じてしまった。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: Mark Levinson, 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その28)

ご存じの方も多いだろうが、
ジョン・カールのローノイズ化の手法は、増幅素子(トランジスターなりFET)を、
複数並列にして使用するものである。

ひとつひとつの増幅素子から発生するノイズは、時間的にランダムな周波数特性とレベルなため、
2個の増幅素子の並列接続では、それぞれの僧服素子から発生するノイズ同士が打ち消し合い、
1個使用時に比べて約3dB、ノイズレベルが低下する。
さらに3個、4個と並列する数を増やしていけば、少しずつノイズレベルは低下していく。

この方式を最初に採用したヘッドアンプが、マークレビンソンのJC1だと言われている。
瀬川先生は、JC1と同時期のオルトフォンのヘッドアンプMCA76、
このふたつの優秀なヘッドアンプの登場が、
1970年代後半からのMC型カートリッジのブームを支えていた、と言われたことがあった。

これらのヘッドアンプと出現のタイミングがぴったりのオルトフォンのMC20は、
いっそう得をした、とも言われていた。
MCA76は、おそらく測定器メーカーB&Kの協力もあっただろうと推測できる。

低歪化、ローノイズ化していくアンプの高性能化を確実に測定していくためには、
測定器はアンプよりも低歪、ローノイズでなければ、
アンプの歪を測っているのか測定器自身の歪を測っているのか、ということにもなりかねない。
世界一の測定器メーカーとして知られていたB&Kだけに、そのあたりの技術力、ノウハウは確かなものであったはずで、
その協力・バックアップがあったからこそ、
他のアンプメーカーに先駆けて優秀なヘッドアンプの開発に成功したのだろう。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ, 長島達夫

真空管アンプの存在(その27)

ステレオサウンド別冊として刊行されていたHigh-TechnicシリーズのVol.2は、
長島先生が一冊すべてを書き挙げられたMCカートリッジの本だ。
すこし脱線するが、世界のMC型のいろいろと題して、
当時発売されていたMCカートリッジの内部構造図が、21機種分掲載されている。
ダンパーの形状、マグネットの形状や大きさ、コイルの巻き方、引き出し線がどこから出ているかなど、
個々のカートリッジの詳細がわかる、
ひじょうに充実した内容で、ここだけでも、この本は価値は十二分にあるといえるものだ。

この内部構造図を、実際にカートリッジを分解して、わかりやすいイラストを描かれたのは、
目次のイラストのところに名前がある、神戸明(かんべ・あきら)さんだ。
瀬川先生のデザインのお弟子さんだった方だ。

長島先生による「すぐれたMC型カートリッジの性能をひきだすための七章」、
 第一章:MC型カートリッジからみたヘッドシェルについて
 第二章:MC型カートリッジとトーンアームの相性
 第三章:MC型カートリッジとヘッドアンプおよびステップアップ・トランス
 第四章:プレーヤーシステムはMC型カートリッジにどんな影響をおよぼすか
 第五章:MC型カートリッジからみた望ましいプリアンプとは
 第六章:MC型カートリッジからみた望ましいパワーアンプとは
 第七章:すぐれたMC型カートリッジの性能を十全に発揮させるためのスピーカーシステムとは

この記事も、オーディオの勉強に役立った。
オーディオに興味をもちはじめて2年目、15歳の時に、この本を読んだ。
中途半端な技術書を、この時期に読んでいなくてよかった、といまでも思う。
私にとって、この本は、絶妙のタイミングで現われてくれた。幸運だった。

第三章:MC型カートリッジとヘッドアンプおよびステップアップ・トランスで、
ジョン・カールが考案したローノイズの手法を紹介されている。

Date: 2月 21st, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その26)

マークレビンソンのLNP2やJC2に魅力を感じていた私は、
カウンターポイントのデビュー作SA1に期待を寄せていた。

真空管を水平に配置すること、外部電源の採用で、JC2と同じ1Uシャーシー。
ツマミのレイアウトもスマートで好感がもてる。
新鮮な印象をまとまった真空管アンプとして、その音には期待していた。
左右のレベルコントロールのツマミの形状も、マークレビンソンに似ている。
なんとなくではあったが、私の中では、真空管アンプにおけるマークレビンソン的存在だった。

山中先生がステレオサウンドに、新製品紹介で記事を書かれていた。
それを読むと、やはり期待できる感じだ。
ただ動作面に関しては、すこしネガティヴなことも書かれていたように記憶しているが……。

そしてステレオサウンドで働きはじめたばかりの時、
カウンターポイントから真空管でMCカートリッジ用のヘッドアンプを実現したSA2が出てきた。
真空管によるヘッドアンプは、私も、あれこれ妄想したことがある。

Date: 1月 14th, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その25)

「遅れてきたガレージメーカー」と、私は、真空管アンプの新興メーカーのことを、こっそりと、そう呼んでいる。

マークレビンソンに代表されるガレージメーカーは、トランジスターによるアンプで、
規模は小さいながらも、少なくとも日本に輸入されたものは、それなりの完成度だった。

繰り返し書いているが、新興ブランドの真空管アンプは完成度が低い、と言わざるを得ない。

真空管をトランジスターのように扱っているから、と説明してくれた人もいるが、
そうだとしても、先に登場したガレージメーカーのトランジスターアンプよりもお粗末だ。

トランジスターアンプのガレージメーカーの技術者が、NASAや軍事関係のメーカーから、だとしたら、
「遅れてきたガレージメーカー」の人たちは、どういうキャリアなのか。

趣味でアンプを自作してきた人たちなのだろうか……。

Date: 1月 14th, 2009
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(その24)

1970年代は、ガレージメーカーと呼ばれる規模のアンプメーカーが、いくつもアメリカで誕生している。
1972年にLNP2を送りだしたマークレビンソンがそうだし、AGI、SAE、GAS、DBシステムズ、
ジェニングスリサーチ、スレッショルド、ダンラップクラーク、アナログエンジニアリングなどだ。
これらのブランドは日本に輸入されたもので、
輸入されなかったブランドは、もっと多く誕生し消えていったのだろう。

なぜこれほど多くのブランドが誕生したのかは、アポロ計画の終焉によるNASAの規模縮小や、
ベトナム戦争からの撤退による関連企業から優秀な技術者の流出が理由だと言われている。

それにこの時代は、信頼性、精度が高く、性能も優れているパーツが数多く開発されたことだろう。
そして、これらのパーツも、70年代に入り、
一般市場において容易に入手できるようになったのではないかと思っている。

LNP2が登場したころから、MILスペック(軍規格)のパーツを使用した、と謳うアンプが増えている。

真空管アンプの新興メーカーの登場は、数年後である。