Date: 5月 14th, 2009
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(その45)

SPA1HLは、いうまでもなくフォノイコライザーアンプであり、
アナログディスクを再生するためのアンプである。

なぜ、こんなわかりきったことを書くかといえば、アナログディスク再生は、
デジタルの再生と決定的に違うところが、ひとつある。

アナログディスク再生では、ノイズに埋もれた音も聴きとれる、ということだ。
アナログディスクのスタティックなSN比は、それほど高いものではない。
ダイレクトカッティング・レコードで知られていたシェフィールドのダグラス・サックスが、
ステレオサウンド 55号のインタビューに答えているが、
「よくカットされたラッカー盤から上質のレコードを使いうまく整盤されたレコード」で、
ノイズを測ると、「5cm/secの基準レベルからマイナス65dBかもう少しよいSN比」ということだ。

ただし、あくまでも注意深く作られたレコードにおいて、での値である。
精選されていないプラスチック材料や平凡なプロセスのレコード」のSN比は、55dBぐらいになってしまうとのこと。

基準レベルより、−55dB以下の信号は聴こえないかというと、そんなことはない。
アナログディスクの場合、ノイズフロアーに埋もれている音でも、耳をすませば聴きとれる。

もちろん人により、どこまでノイズに埋もれた音が聴きとれるかは、個人差があろう。
それでも装置の性能が高く、万全の調整がなされていれば、
ノイズレベルよりも低いレベルの、微弱な楽音も再生が可能だということ。
この点が、デジタル(デジタル録音でデジタルディスクでの再生)との違いである。

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