真空管アンプの存在(その42・補足)
マランツ#7とつねに比較対象となるマッキントッシュのC22。
#7のフォノアンプは3段K-K帰還型、C22は2段P-K帰還型。
だから増幅段数の少ないC22のほうが安定している、と思い込まれている方がいる。
真空管アンプを自作された方、回路図を読んだことのある方なら、
#7とC22のフォノアンプの増幅段数は、どちらも2段であり、
終段がカソードフォロワーという構成は同じであることは、周知のことである。
3段K-K帰還型、2段P-K帰還型とは増幅段数のことをではなく、NFBの掛け方を示している。
Kはカソード、Pはプレートのことで、
#7の3段K-K帰還型とは、終段のカソードフォロワーのカソードから、初段のカソードにNFBを返していること、
C22の2段P-K帰還型は、終段のカソードフォロワーからではなく、
二段目のプレートから初段のカソードへとNFBを返していることを表している。
使用真空管はどちらもECC83/12AX7で、増幅段数も2段であり、#7もC22も、フォノアンプのゲインは、
定数の違いはあるものの、1kHzにおいて、約40dBと、ほぼ同じだ。
ただしC22は、3段目のカソードと2段目のカソードを330kΩの抵抗で接続している。
この抵抗で、ポジティヴフィードバック(PFB)をかけ、
高域における出力電圧のマージンをかせいでいる設計だ。
C22も、アンプ全体で使用している真空管の数は6本。その使い方も#7と同じで、
フォノアンプとラインアンプの終段(カソードフォロワー)を、
1本の真空管を左右チャンネルに振り分けている。