Archive for category 組合せ

Date: 7月 14th, 2011
Cate: D44000 Paragon, JBL, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その38)

コントロールアンプにLNP2を持ってくるのであれば、いっそのことパワーアンプもML2にするとか、
LNP2と同時代のパワーアンプの中から選ぶ、ということも考えられるが、
私の考え方として、パワーアンプは近年の優秀なモノは、あきらかにスピーカーをドライヴする能力は向上している。
JBLのパラゴンという、すんなり鳴ってくれるわけではないスピーカーシステムに対しては、
とにかく優秀なパワーアンプを組み合わせたい。
それだけで、パラゴンを鳴らすスタート地点が変ってくるし、しなくてすむ苦労が省ける。

もちろん近年のパワーアンプのすべてが、LNP2と同時代のパワーアンプよりも優れているわけではない。
私がパラゴンを鳴らしてみたいとつねづね思い描いているオラクルのSi3000は、優れた能力をもっている。
それにSi3000の、うまい表現がなかなか思いつかないが、濃密な表情をもつ、このアンプの音は、
音色的にもパラゴンに合う印象があるし、パラゴンをどこまでも鳴らしあげるパワー(力)もある。

パラゴンとSi3000の相性は、いいと想像できる。
LNP2とSi3000の相性となると、どうだろう。
うまくいきそうな気もするし、まったく、お互いに相容れない結果になるかもしれない。
どっちにころぶかは、正直予測できない。
こんな組合せをやっている人もいそうにないし、確かめることもできない。

なので、もしかして、という場合のために、ひとつ考えていることがある。
LNP2の出力の直後にライントランスをあえて挿入してみよう、と思っている。

Date: 7月 12th, 2011
Cate: D44000 Paragon, JBL, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その37)

音のいいコントロールアンプ、優秀なコントロールアンプよりも、
ここでの組合せには、インプレッショニズムのスピーカーシステムとしてパラゴンをとらえたときに、
その魅力を損なうモノは論外で、倍加(というよりも倍化)してくれるコントロールアンプであってほしい。

そうなると、どうしてもマークレビンソンのLNP2が真っ先に浮んできてしかも消えてくれない。
かわりに、あのアンプは、このアンプは、と無理矢理あれこれ思い浮べようとしても、
自分の中に、その選択に対する不自然さを感じてしまい、
結局LNP2になってしまうのか、と自分でもあきれてしまう。

20代のころ、中古ではあったがJC2を購入した。
このときはLNP2よりも、音の良さとして、JC2の方に魅力をより強い感じていた。
それから20年が経ったいま、どちらを選ぶかというと、ためらうことなくLNP2にする。

確かに、このころのマークレビンソンのアンプに、
徹底した音の透明なよさ、どこまでも切れ込んでいく解像力のよさ、
そういった音の良さを求めるのであれば、JC2のほうが上だと思う。
でも、曖昧な表現になってしまうが、音楽を聴いたときの深さのある質感では、LNP2である。
そういう深さが、JC2は稀薄に感じられた。

このことはマーク・レヴィンソン自身も、
LNP2にはJC2にはない音のとディープネスがある、と語っていたときいている。
結局、この深さ(ディープネス)をより深くするために、
瀬川先生はLNP2にあえてバッファーアンプを追加されたのだろう。
バッファーアンプを追加することは、アンプモジュールのLD2をひとつ余計に信号が通ることになる。
そのことによる音の鮮度の低下を問題にする人、
LNP2を使いながらも、トーンコントロールをパスしてRECORD OUTから出力を取り出している人、
もしくはライン入力をTAPE端子に接続している人(これらのことでLD2をひとつパスできる)、
そういう人はLNP2よりもJC2(もしくはML1)を使った方がいい、と思う。

Date: 7月 11th, 2011
Cate: D44000 Paragon, JBL, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その36)

パラゴンと同じJBLのスピーカーシステムでも、プロフェッショナル・シリーズの4350、4343は、
楽器から放たれてマイクロフォンがとらえた音そのものを、即物的に鳴らす。
この、音そのものを即物的に鳴らす傾向は、
ヨーロッパのスピーカー、とくにイギリス系のスピーカーシステムの特質とは対照的なもので、
JBLのコンシューマー用スピーカーシステムにも聴き取ることができる、とはいうものの、
やはりそれが顕著なのは4350だったり4343だったりする。

あえていえば4350、4343といったスタジオモニター・シリーズを写実派とすれば、
パラゴンはあきらかに印象派(インプレッショニズム)といえるスピーカーシステムであり、
パラゴンが再現し聴き手に提示する音場は、できるかぎり録音現場の音場をそのまま再現しようというよりも、
その録音現場の「場」の雰囲気・印象を、うまく鳴らしたときは、実に生き生きと再現する。

パラゴンは、そういうスピーカーシステムだからこそ、コントロールアンプをうまく選択することで、
インプレッショニズムのスピーカーシステムとして、音楽をリアルに鳴らしてくれる、といえる。
もちろん、そのリアルさは、インプレッショニズムの表現としてのものである。

その意味で、ここで使ってみたい、組み合わせてみたいコントロールアンプには、
音の深みといった要素を色濃くもつモノにしたい。

いったい、そういうコントロールアンプがいくつあるだろう……。

Date: 7月 10th, 2011
Cate: D44000 Paragon, JBL, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その35)

プリメインアンプのオラクルのSi3000をもってきておいて、なぜコントロールアンプを使うのか。
Si3000、JBLのパラゴンとの組合せにふさわしいモノとなると、安いものではすまない。
それなりの金額のするものとなる。

本来必要としないものにお金をかけることこそ無駄だどころか、
わざわざ余分なお金をかけて、音を悪くするようなものではないか、と思われる人もいよう。

音の鮮度ということを最優先に考えれば、余計な回路は通したくない、という気持は私にだってある。
そう思いながらも、鮮度の高い音は、必ずしも鮮明な音ではない。
一般に言われている鮮度の高い音が鮮明な音とイコールのこともあるが、鮮明に音楽を響かせるかというと、
音の出口となるスピーカーシステムに、何を持ってくるかによって、変ってくる。

ここで組合せの要となっているのJBLのパラゴンという、もう半世紀も前につくられたスピーカーシステムである。
しかも、通常のスピーカーシステムとは大きく異る構造をもつ。
使いこなし、鳴らし込みも、一筋縄ではうまくいかない面ももつパラゴンだけに、
あえてコントロールアンプを使いたい。そうすることが、逆に近道になる予感がなんとなく感じられる。

それに鮮度の高い音だけが、音楽を新鮮に聴き手に感じさせるわけでもない、ということも書いておきたい。

Date: 2月 25th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その11)

スピーカーシステムとパワーアンプは決った。
次はコントロールアンプを決めて、最後にCDプレーヤー、というふうに最初は考えていた。

でも、ぴったり、というか、うまくはまってくれる印象のコントロールアンプが思い浮ばない。
いくつか候補はあるけれど、この組合せの目的である「対決」ということには、
どれもピンとこない。実際に音を聴くことができれば、話は変ってくるのだろうが、そんなことは望めない。

それでは、ということで、CDプレーヤーは何にしたいのか、と考えていたときに浮んできたのは、
47研究所のPiTracer(Model 4704)だ。

またナグラのCDプレーヤーのことを引合いに出してちょっと申し訳ないという気持もあるけれど、
PiTracerの精度は、気持がいい。

ターンテーブルがあって、CDはピット面を上にしてのせる。
クランパーはスクリュー・ロック式。ナグラのクランパーとは大違いで、気持良くセンターが決る。

PiTracerは、決して安くない。かなり高価でしかもトランスポートだから、別途D/Aコンバーターが要る。
価格のことは、妄想組合せだから、この際無視するとしても、D/Aコンバーターに何を選ぶか。

D/Aコンバーターを決めても、コントロールアンプで結局悩むことになる。
だったら、いっそのことデジタル・コントロールアンプをもってくるのは、どうだろうか。
そしてD/Aコンバーターをパワーアンプ(ナグラのMPA)の直前に置く。

Date: 2月 9th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その10)

セパレートアンプを選ぶ時、コントロールアンプもパワーアンプも、同じブランドで揃えたい、
揃えた方が結果としての音もいいし、もともと組み合わせて使うことを前提につくられているものだから、
あえて他社のアンプとのあれこれ組合せを試みるのは、時間もお金も無駄、という意見もある。

以前は、コントロールアンプを得意とするメーカー、
パワーアンプを得意をするメーカーといったことが言われていた。

そのころからすると、いまの名の通ったアンプ・メーカーには、あまりそういうことはない。
たとえ得手不得手があったとしても、純正の組合せで使うのが、筋が通った音が得られる。
このことが大事だ、という意見には、あえて反論するつもりはない。
私も、そう思うことがあるからだ。

それでも、せっかくコントロールアンプとパワーアンプとにわかれているのだから、
組合せの面白さ(ゆえの面倒くささ)を楽しみたい、という気持のほうが私は強い。

そして筋の通った音を求めるよりも、
あえてすこしだけの異質のものを感じさせるモノ同士を組み合わせることで生れてくる音の緊張感を、
ここでの組合せでは「対決」のためにも積極的に探して、活かしていきたい。

となると、ここから先は実際に聴いていかないと話が進まない。
でも、もとより妄想組合せということ、
それにロックウッドのスピーカーがまず見つけるのが困難ということもあるから、
妄想アクセラレーターをONにするしかない。

Date: 2月 9th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その9)

「対決」する前には、精神を集中させたい、となるはずだ。
だから、ナグラのCDプレーヤーは選ばない。
あのクランパーの精度のひどさが改められていればいいけれど、
以前のまま放置されていたら、「対決」の前に、あの小さなクランパーのセンター出しなどに煩わされたくない。

なにか心地よい緊張感を持たしてくれるモノがいい。
コントロールアンプについても、同じだ。

CDプレーヤーとコントロールアンプだけが、「対決」の前に手を振れる、操作するモノだ。
だからこそ、このふたつのモノのありかたは、音と同じくらい大切なこととなってくる。

ほのかな暖い灯のもとで、ゆったりと音楽を聴くことと正反対の心理を、この組合せには求めているから、
候補となって上ってくるモノも限られてくる。

まず頭に浮んだのは、またか、と言われそうだが、マークレビンソンのJC2だ。
それも初期の、ツマミの長い時期のモノだ。

JC2のツマミは、途中から径が大きく短いものへと変っている。
ML1やML7のツマミと同じものへとなっている。

全体のバランスとしては、こちらのほうが安定感があると私も思うけれど、
あのとんがった印象の強い初期のJC2と較べると、落着いた雰囲気になってしまっていて、
ここでの組合せには向かない。

もっとも初期のJC2があったとしても、ナグラのMPAと組合せとしてうまく馴染むかとなると、
アンプの年代の違いも含めて、無理が生じる気がする。

Date: 1月 13th, 2011
Cate: 岩崎千明, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その8)

対決していくための環境として、色温度の高い光を求める。

色温度の低い、温かさを感じさせる光のもとではくつろいでしまい、対決するという雰囲気ではなくなる。
でも、なにも明るい光のもとだけが対決ていく場ではない。
もうひとつ、闇がある、と思う。

闇に一条の光、──それはもちろん色の温度の高い、純度の高い光が切り込んでくる。

ここまで考えてくると、以前書いたことのある、かわさきひろこ氏の言葉を思い出す。

余剰すぎる明るさは、人を活発にするだろうけど、一方で、人に安心感を与える。

岩崎先生の言われていた「対決」が、ここにきて、すこしわかりかけてきた気がする。

Date: 1月 10th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その7)

オーディオ機器のデザインについて語る時、ナグラのCDプレーヤーは話題になることも多いと思う。
それも、いいデザインのモノとして、話題にのぼることだろう。

でも、クランパーのことも、デザインのこととして語られべきこと、だと私は考えている。

あのクランパーの精度の悪さは、使い手をひじょうにイライラさせる。
いちど気にしたら、つねに頭のなかにこびりついて離れにくくなる。

このクランパーが改良されていないかぎり、ナグラのCDプレーヤーを、優れたデザインのモノとは呼べない。

Date: 1月 9th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その6)

MPAをパワーアンプにもってくるのなら、コントロールアンプもCDプレーヤーで統一しよう、
とはまったく考えていない。

コントロールアンプのPL-Lは、実は聴いたことがない。
だから、実際に聴いてみると、さすがにナグラ同士の組合せ! ということになるかもこともあるだろうけど、
ただ直感的に、MPAに、私が感じている良さを、抽き出す方向とは、すこし違う気がする。

ではCDプレーヤーは、というと、以前、数時間、じっくりと触ったことがある。
音については、不満はない。

このCDプレーヤーを選ばない理由は、別のところにある。

ナグラのCDプレーヤーはピックアップ・メカニズム全体にトレイに一体になっている。

ピックアップにはフィリップスのCD-Pro2Mを使っているとのことで、
そのことにも不満は、特にない。メカニズムが出てくるのを見ているのも楽しい。
たしかに、精度が良さそうな感じは、見ている分には伝わってくる。

ナグラの輸入元である太陽インターナショナルのサイトには、
「トレイ上のクランプはセンタリングをきっちり出すため、ナグラにより切削されたもの」とある。

このクランプとは、ピックアップ・メカニズムのセンタースピンドルのことだろう。

ナグラのCDプレーヤーには、一般的なCDプレーヤーにあるクランプ用のアームはない。
メカニズムが出てきて、そこにディスクを置いて、磁力で吸いつくクランパーをユーザーが直に置く。

このクランパーの精度が、CDプレーヤーの全体の良さを壊してしまうほど、よくない。
たまたま私がさわっていた機種だけ、のこととは思えない。
おそらくすべての共通していることなのだろうが、実際において試しにと動かしてみると、
意外なほど動くのに驚く。

これが非常に軽いクランパーであれば、ディスクに回転に伴っての影響はごくわずかなのだろうが、
実際にはそこそこの重量がある。これがなにも意識せずに安易に置いてしまったら、
場合によっては、かなり偏心した状態でディスクとともに高速回転することになる。

意識的に大きく変身させたときの音と、注意深く、できるだけ中心にもってくるようにした時では、
残念なことに、当然のことでもあるが、音は微妙とはいいがたい差を聴かせる。

しかもできるだけ中心にもってくるようにするのが、意外と面倒なのだ。
これをもし自分のモノとして手に入れた日には、ディスクをかけかえていくことが億劫になるだろう。

クランパーの、そんなわずかな偏心による音の違いなど、気にしない、という人ならばいいだろう。
でも、いちど、その差を耳にしてしまうと、なかなか、そうは言い切れなくなる。

ナグラのCDプレーヤーが、価格の廉いものであれば、目をつぶろう、とも思うかもしれない。
でも、非常に高価なモノだ。しかも精度の高さを誇っている製品でもある。

CDプレーヤーは、日に何度も直接ふれるものである。
それが、ほんのわずかなことで、使い手にストレスをあたえるつくりになっているのは、
なんとも残念なことであり、クランパーを作りかえることだけですることだから、
なんとかしてほしいと思う次第だ。

もっとも私がナグラのCDプレーヤーに触ったのは、もう2年以上前のことだから、
最近の製品では改良されている可能性もある。

Date: 1月 7th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その5)

ナグラのMPAを選ぶにあたって、あえてコントロールパネルつきのMPAにしたいというのも、
この色温度に関係している。

あり(プリメイン仕様)となし(パワーアンプ仕様)を比較したことはない。
なしの方を聴いたことはない。
だから、あくまでも想像のなかでのことだが、コントロールパネルつきのほうが、
音の色温度が、もうすこし高くなるんじゃないか、と感じている。

実際には直接比較してみるしかないわけだが、
すでに製造中止になっているMPAだから、ここは直感にしたがうしかない。

プリメイン仕様のMPAならば、コントロールアンプは必要としない。
でも、なにかを選んで使いたい。

その理由はひとつが、MPAの空冷ファンの存在だ。
フロントパネルの中央に取りつけられている。
常時回転しているわけでなく、温度センサーで動作する仕様だが、
それでもいったん回りはじめると、意外に大きな動作音に驚く。

正直、ファンの音は苦手だ。
できるだけ聞こえないようにして、すこし離れたところにでも置きたい。
そのためにも、コントロールアンプを使いたい、という気持がある。

Date: 1月 5th, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その4)

小学校の理科の時間にならったことだと記憶しているけれど、炎の色と温度について、である。

わかりきったことを書くことになるが、熱さ、暖かさを感じさせる色、つまり赤や橙色の炎よりも、
冷たさに通じる感じのある青色の炎のほうが、温度は高い。

電灯にしても、いわゆる電球色は暖かみを感じるが、螢光灯の青白い光には、冷たく寒々しいものと感じる。

けれど、これも色温度でいえば、暖かみを感じさせる橙色の光は低く、螢光灯の青白い光の色は高い。
白熱電球の一般的な色温度は2500K、螢光灯は5000Kである。

この色温度の違いは、部屋の雰囲気までを変える。
螢光灯のもとで映える色と白熱電球で映える色とは違う。
色温度が高いほど、寒色系の色合いを引き出す。

そして人は色温度が高いもとでは活動的になり、低いところではくつろぎ、落ちつきを感じる、とされている。

たとえば、熱い音、といっても、その温度には高低がある。
音温度、とでも呼ぼうか。

ナグラのMPAの音の熱さは、色温度の高い光のような気がする。
ほんとうは断言したいところが、なにせMPAを聴いた時間は、ごく短い時間だったので……。

俗にいわれる、真空管アンプの暖かい音は、色温度の低い音、ともいえる。
それは白熱電球的でもあるわけだから、くつろぎ、なごめる。
もっとも真空管アンプといっても、より色温度の高い音を聴かせるものを、かなりの数ある。
だから、あくまでも、なんとなく一般的にイメージされている真空管アンプの音について、である。

MPAの色温度の高い音は、聴き手の心を、より活動的にしてくれる、といえないだろうか。
色温度の低い音でくつろいでいては、対決はできない。

対決していくには、色温度の高い、青白い炎のMPAが、だからロックウッドには合う、と思っている。

Date: 1月 3rd, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その3)

けっこう前にも書いたことだが、
こういう机上の組合せをつくっていくうえでは、以前ステレオサウンドから出ていたHi-Fi Stereo Guideが重宝する。
ページをぱらぱらめくっていくと、あっ、これだ! というモノが見つかる。

そのかわりとなるものが、いまは残念ながらない。
ステレオサウンドの冬号はグランプリとベストバイ(今回からベストバリューに変更)が特集だけど、
Hi-Fi Stereo Guideのかわりにはならない。
なぜならないのかについて書いていくと、また大きく脱線してしまうのが割愛する。

Hi-Fi Stereo Guideはない。ステレオサウンドも、ここ数年まったく購入していない。
だから、アンプ選びは記憶だけに頼るしかない。

誰もが思いつきそうなアンプは、やはり浮かぶ。それら消去していくことで、意外なモノが浮かんでくる。
あっ、これだ! と感じたのは、ナグラのMPAである。
4、5年前に製造中止になったプリメインアンプ/パワーアンプだ。

MPAならば、 ロックウッドのMajor Geminiにぴったり合うはずだ。
Majorの引締った音の表情をゆるめることなく、熱く、無我夢中で対決できる音がしそうな気がする。

MPAにはコントロールパネルを装備したプリメインアンプとしての形態と、
なしのパワーアンプとしての形態がある。

いまは中古でしか入手できないから、どちらか手に入った方、ということになるが、
それでも私は、プリメインアンプとしてのMPAにしたい。

もちろんコントロールアンプは、別途用意しても、だ。

Date: 1月 2nd, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その2)

Major Geminiは、Majorをベースに、15インチ・モニターユニットを2本並列にしたものだ。
これは実物を見たこともない。

瀬川先生がステレオサウンド 43号に書かれている。
     *
1本入りの引締って密度の高い高品位の音質に加えて、音の腰が強く充実感が増して、ことにハイパワードライブではこれがタンノイのユニットか、と驚嘆するほどの音圧で聴き手を圧倒する。
     *
スピーカーシステムは、これしかないだろう。そう思える。

タンノイユニットは縦に二発配置されている。それも、たしか斜めになっていたと記憶している。
ウーファーはダブルになり放射面積が増える。これはいいとしても、同軸型ユニットだけに、
中高域も2箇所から音が放射される。それも15インチユニットだけに、
二つの中高域ユニット間は当然離れることになる。
そのことによるデメリットがどう出るのか。

でも、きっとそんなことはどうでもいいと思わせるほどの魅力をMajor Geminiは持っているであろう。

それにいま思うと、タンノイ・オリジナルと比較して、音の硬度がロックウッドは増している感じがする。
これを活かしてくれるパワーアンプを選びたい、と思っていたら、風呂から上がる時間が長くなってしまった。

あれでもない、これでもない、ひとつずつ消去しながら、ひらめくのを待っていた。

Date: 1月 2nd, 2011
Cate: 組合せ

妄想組合せの楽しみ(番外・その1)

正月だからというわけでもないが、
入浴中に、ふと、もしジャズ喫茶の店主だった……なんてことをあれこれ夢想していた。

だいたいクラシックが大半で、私の手もとにあるジャズのCDは、クラシックの10分の1くらいしかない。
それなのに、というか、だから、これから先絶対にあり得ないであろうシチュエーション、
ジャズ喫茶の店主について、素人丸出しで、どんなシステムを用意するかを考えていた。

あるジャズ・レコードに対してつよい思い入れを持ってシステムを組む、わけではない。
ただひたすら大音量で鳴らす、できれば岩崎先生のように対決する、そのくらいの音量で鳴らすことだけを考える。

湯につかっているあいだの50分くらい、考えていた。
とにかくスピーカーシステムを決める。
JBL、アルテック、エレクトロボイスなどは、あえて選択しない。
だからといって、ウィルソン・オーディオ、アバロン、ティールといったスピーカーでもない。

ここはあえてタンノイでいきたい。
とくに理由はない。そう思っただけである。
タンノイの何を選ぶのか。現行機種の中から、という条件ならばCanterbury 15しかない。
でもCanterbury 15の雰囲気は、私が勝手にイメージしているジャズ喫茶の場にはそぐわない。

ジャズ喫茶、大音量、このふたつの言葉から浮かんでくるタンノイは、ロックウッドた。
タンノイのユニットを採用した、スタジオモニターを製造したイギリスのロックウッドのMajorだ。

タンノイの15インチ・モニターを、ひじょうにがっしりした造りの、
特殊なバスレフ型エンクロージュアに収めたもの。

とおい昔に、一度だけ聴く機会があった。といってもごくみじかい時間であったけれど、
そのころのタンノイのスピーカー(アーデン)とは、まるっきり印象の異る、
密度の濃さはもともとタンノイが有していたものだが、全体にぴしっと引き締ったおかげで、
より密度が濃くなったように感じたのを憶えている。

とにかく、これが同じタンノイのユニットを使ったスピーカーなのか、とは聴いた誰もが思うはずだ。
だから、これにする。しかもMajor Geminiにする。