妄想組合せの楽しみ(その37)
音のいいコントロールアンプ、優秀なコントロールアンプよりも、
ここでの組合せには、インプレッショニズムのスピーカーシステムとしてパラゴンをとらえたときに、
その魅力を損なうモノは論外で、倍加(というよりも倍化)してくれるコントロールアンプであってほしい。
そうなると、どうしてもマークレビンソンのLNP2が真っ先に浮んできてしかも消えてくれない。
かわりに、あのアンプは、このアンプは、と無理矢理あれこれ思い浮べようとしても、
自分の中に、その選択に対する不自然さを感じてしまい、
結局LNP2になってしまうのか、と自分でもあきれてしまう。
20代のころ、中古ではあったがJC2を購入した。
このときはLNP2よりも、音の良さとして、JC2の方に魅力をより強い感じていた。
それから20年が経ったいま、どちらを選ぶかというと、ためらうことなくLNP2にする。
確かに、このころのマークレビンソンのアンプに、
徹底した音の透明なよさ、どこまでも切れ込んでいく解像力のよさ、
そういった音の良さを求めるのであれば、JC2のほうが上だと思う。
でも、曖昧な表現になってしまうが、音楽を聴いたときの深さのある質感では、LNP2である。
そういう深さが、JC2は稀薄に感じられた。
このことはマーク・レヴィンソン自身も、
LNP2にはJC2にはない音のとディープネスがある、と語っていたときいている。
結局、この深さ(ディープネス)をより深くするために、
瀬川先生はLNP2にあえてバッファーアンプを追加されたのだろう。
バッファーアンプを追加することは、アンプモジュールのLD2をひとつ余計に信号が通ることになる。
そのことによる音の鮮度の低下を問題にする人、
LNP2を使いながらも、トーンコントロールをパスしてRECORD OUTから出力を取り出している人、
もしくはライン入力をTAPE端子に接続している人(これらのことでLD2をひとつパスできる)、
そういう人はLNP2よりもJC2(もしくはML1)を使った方がいい、と思う。