THORENS TD124 DD(その3)
トーレンスのTD124は、どうして「124」なのか。
おそらくだが、12インチのターンテーブルプラッターに、
4スピードだから、だろう。
TD124は、33 1/3と45回転の他に、78回転と16回転もついている。
TD124 DDは、どうだろうか。
33 1/3と45回転の2スピード。
現在のトーレンスが、
TD124という型番にこだわりたい(すがりたい)のは、
わからないわけではないが、
ならば──、と思うところがありすぎる。
トーレンスのTD124は、どうして「124」なのか。
おそらくだが、12インチのターンテーブルプラッターに、
4スピードだから、だろう。
TD124は、33 1/3と45回転の他に、78回転と16回転もついている。
TD124 DDは、どうだろうか。
33 1/3と45回転の2スピード。
現在のトーレンスが、
TD124という型番にこだわりたい(すがりたい)のは、
わからないわけではないが、
ならば──、と思うところがありすぎる。
オーディオ機器に関する情報を得るのに、インターネットを無視はできない。
トーレンスのTD124の復活のニュースを見た時は、
昔のメカニズムをリファインしてのモデルか、とほんのちょっとだけ期待したけど、
型番末尾のDDの二文字を見て、すぐにさとった。
TD124をダイレクトドライヴで復活させることの意味、
そんなこと、いまの時代、考えるだけ無駄なことなのか。
そんなふうに思いました。
それでもトーレンスが独自に開発したダイレクトドライヴならば、
期待は持てるかもしれない──、そう思うこともできるわけだが、
インターネットはそんな夢も見させてくれない。
輸入元のPDNのウェブサイトには、TD124のページはないが、
トーレンスのウェブサイトサイトには、もちろんある。
そこにはTD124のモーターの写真がある。
各社の製品に詳しい人ならば、すぐにわかるし、
そうでなくともGoogleで画像検索すると、わかることが出てくる。
トーレンスのTD124のダイレクトドライヴ版のTD124 DDが、
海外のオーディオショウで発表されたのは、数年前だった。
日本に輸入されるのだろうか、と思いながら、日本での続報はなかった。
昨年、PDNがトーレンスを取り扱うことになった。
TD124 DDのトーレンス創立140周年記念モデル、
TD124 DD 140th Anniversaryが140台の限定で発売になる。
不思議なのは、輸入元のPDNのウェブサイトには、
今日(1月2日)の時点では何の告知もないが、
ステレオサウンド 223号の巻末、
それからステレオサウンド・オンラインでは紹介されている。
限定140台のうちの一台を、抽選でステレオサウンドを介して発売されるようだ。
なぜ? と不思議に思う人はいるだろう。
憶測なのだが、
ステレオサウンドからトーレンス創立140周年を記念しての本が出るのかもしれないし、
そのことを絡めてのことなのだろう……。
今週末のインターナショナルオーディオショウで、
実物を見る聴くことができるはずの、タンノイの新製品。
ミュンヘンのショウで発表されていたので、ご存知の方も多いだろう。
Autograph 12である。
タンノイはなぜ、このスピーカーをAutographと呼ぶのか。
ここが、私にはまったく理解できない。
詳細が不明だが、エンクロージュアがバックロードホーンとは思えないし、
フロントショートホーンがないのは、すぐにわかる。
音はどうなのか、わからない。
素晴らしいのかもしれないが、
それならなおさら別の型番を用意すべきだろうし、
それだけでなく、ここ数年、
自社製品のパチモン的新製品について書いてきているが、
このAutograph 12がパチモン的とは言わないが、
Autographという、過去の名器の栄光に縋っている、
そんな印象を受けてしまう。
一ヵ月ほど前に、B&OのBeosystem 9000cのことを書いた。
型番からわかるように、Beosystem 9000の復刻(再構築)版である。
写真をみるかぎり、見事な仕上がりだ。
Beosystem 9000cをみて、パチモン的新製品という人はいないはずだ。
この項で書いているパチモン的新製品。
今度はQUADから登場する。
33と303の復刻モデルが、そうである。
QUADのウェブサイトのトップページに写真が公開されている。
のっぺりしているな、が最初の感想だった。
見慣れれば、そんなふうに感じなくなるのか。
QUADの33と33のサイズ、そしてデザインのままに、
最新の技術を投入してくれれば──、と思ったことは何度もある。
今回の33と303の復刻はそれにあたるといえば、そうなるのだろうが、
そこにパチモン的新製品臭を感じてしまう。
自社の過去の製品のパチモン的新製品を出すことが、流行りつつあるのか。
B&OのBeosound 9000といえば、
六連奏のCDチェンジャーである。
登場は、いまから三十年ほど前のことであっても、
初めてBeosound 9000の動いているところを見て、
これが似合う部屋とそれだけの経済力があったらなぁ──、とおもった人は、
私以外にもけっこうおられるはずだ。
そのBeosound 9000も、いまでは完動品はかなり少ないときいている。
故障してしまっても、修理が困難らしい。
B&OがBeosound 9000を完全に復刻して、
スピーカーシステムのBeolab 28と組み合わせて、
Beosystem 9000cとして再構築した。
トータル価格は、7,500,000円。
限定二百台とのこと。
このシステムをどう評価するかは、人によってそうとう違ってくることだろう。
私は、といえば、まず動いているところを見たい。
それからだ。
4月3日のaudio wednesdayではアポジーのDuetta Signatureを鳴らすわけだが、
アポジーのリボン型スピーカーに惚れ込んだ人たちはいる。
けっこう前に、アポジーのスピーカーを復刻しようとする人たちがいる、
メインテナンスを行っている人たちがいる、
そんなことを聞いている。
やっぱりそういう人たちがいるか、と思いながらも、なかば聞き流していた。
3月の会でひさしぶりにアポジーの音に触れて、検索してみるとあった。
Clarisys Audioである。
外観からしてアポジーといえよう。
現在、三機種ある。
脚部もしっかりとつくられているようで、
アポジーのスピーカーよりも細部がリファインされている印象だ。
そして驚くのは、製品紹介のページ下段の“Coming Soon!”だ。
低域と中高域のユニットを独立させてだけでなく、
アポジー時代では考えられなかった規模のウーファーがある。
写真だけなので、詳細は不明。
かなりの高額なモデルだろうし、そうとうな大きさと重量なのだから、
購入の対象とは考えられないけれど、この新モデルのウーファーは興味深い。
買える買えないとは関係なく、一度聴いてみたい新製品である。
とはいえ、いまのところ日本には輸入代理店がない。
2022年発行のステレオサウンドで、メリディアンの210は取り上げられていない。
2022年夏に日本への輸入が再開されたとはいえ、
210自体は何度も書いているように2019年に発表・発売になっている。
日本での発売は2022年からなのだが、他国では発売になって三年経つ製品となる。
(その4)で、オーディオ雑誌は、210を新製品として取り扱うのだろうか、と書いた。
224号、225号の新製品紹介記事に210は登場していない。
来月発売の226号で取り上げられている可能性は、まずないといっていいだろう。
210は、ステレオサウンドでは新製品として扱われない。
2019年発売の製品だから──、と扱わない理由としてステレオサウンド編集部は挙げるだろう。
けれど、それではなぜジャーマン・フィジックスのHRS130は、新製品として取り上げているのか。
ジャーマン・フィジックスも日本への輸入は十年ほど途絶えていた。
輸入が再開したのはメリディアンと同じころ、昨夏だ。
HRS130は2022年に登場した製品ではない。
日本以外の国では数年前から売っている。
メリディアンの210と事情は同じ製品なのだ。
なのに一方は取り上げ、もう一方は取り上げない。
メリディアンの210と218は、
メリディアンの推奨する接続、LANケーブルを使って行う。
アキュフェーズのDP100とDC330との接続も、
アキュフェーズ独自のHS-Linkなので、LANケーブルで行う。
DP100と218は、DP100のSPDIF出力を同軸ケーブルで218のSPDIF入力へと接続。
210とDC330は、210のSPDIF出力を同軸ケーブルでDC330のSPDIF入力へと接続。
218、DC330、それぞれのアナログ出力はGASのTHAEDRAのライン入力に接続する。
SACDの再生は、DP100+DC330、
MQA-CDの再生は、DP100+218、
TIDALのMQAの再生は、210+DC330(コアデコード)と210+218(フルデコード)となる。
どれがいちばんいい音なのかを検証するよりも、
それぞれの音のそれぞれのよさを見出していきたい。
同時に、最近ではあまり語られなくなってきたデジタル・コントロールアンプ、
というよりデジタル・コントロールセンターについて考えていくヒントが得られる予感もする。
来週か再来週に、アキュフェーズのDP100とDC330がやって来る。
日進月歩といっていいデジタルオーディオ機器なのだから、
DP100とDC330は、かなり古い製品ということになる。
それでもDP100のメカニズムは、いまでも魅力的に感じる。
実をいうと、最初はDP100だけでいいかな、と考えていた。
DP100とDC330を組み合わせることで、SACDの再生が可能になる。
このことは魅力なのだが、SACDをそれほど多く持っているわけでもないし、
一応SACDプレーヤーは持っているし、置き場所の問題もある。
コントロールアンプが、DC330を含めると三台になる。
そんな事情から、DP100だけにするか、と考えていたのが、
ころっと考えを変えてしまったのは、210の存在だ。
210は、MQAのコアデコードを行ってくれる。
SPDIFのデジタル出力を持つから、DC330との接続も問題ない。
DC330は内部をみてもブロックダイアグラムをみてもわかることだが、
DP100とペアになるDC101と基本的には同じである。
トーンコントロールなどの機能をもつD/Aコンバーターともいえる。
メリディアンの218と同じだ。
とはいえ、そこに投入されている物量は大きく違う。
技術も違う。
そんなふうにみていくと、218とDC330の両方があるのも面白いと思えるようになったからだ。
アキュフェーズのDP100とDC330、
メリディアンの210と218、
これら四機種を使って、いくつか実験して検証してみたいことがある。
DC330はコントロールアンプというよりも、D/Aコンバーターとして使う予定で、
GASのTHAEDRAに接続する。
パチモンとパチモン的新製品は違う。
ここで書いているパチモン的新製品とは、過去の自社製品のパチモン的という意味である。
他社製品のパチモンという意味ではない。
他社製品のパチモンは、いわばまがいものといえる。
パチモン的新製品は、まがいものなのか。
過去の自社製品のパチモン的新製品なのだから、はっきりとまがいものとは言い難い。
とはいえ、まがいものではない、ともいえない。
微妙なところにある製品である。
昨晩、別項で引用した岩崎先生の文章。
そこには《ハイファイというのはそういうぜいたくが必要なのである。しかし、それはたとえ少しでもまがい者的ではいけないのだ》とある。
日本には、昔ジムテックというメーカーがあった。
JBLとアルテックのブランドをあわせたのが、ジムテックである。
もうブランド名からして、パチモンでありまがいものである。
実際の製品もそうだった。
どんな製品だったのかは、the re:View (in the past)をみてほしい。
ジムテックと比較すれば、パチモン的新製品はまだましといえる。
けれど、そこにまがいものの臭いを感じるのかどうかは、人によって違ってくるのだろうか。
パチモン的新製品は安価なモノではない。
むしろ高価なモノだったりする。
贅沢品である。
その贅沢は、岩崎先生がいわれるところの「ぜいたく」なのだろうか。
ヤマハのヘッドフォン、YH5000SEが正式に発表になった。
プロトタイプがヘッドフォン祭で発表展示されていたようなのだが、
ヘッドフォン祭には再開されてからも行っていない。
今年は、このヤマハのヘッドフォンが聴けたのであれば、行けばよかった──、
YH5000SEのプロトタイプの紹介記事を読みながら思っていた。
このヘッドフォンは、ヤマハのフラッグシップ5000シリーズとしての位置づけ。
そうとうに気合いの入ったヘッドフォンのように感じられる。
外観も、写真だけの判断なのだが、精悍な感じが、
他の5000シリーズとはあきらかに違う。ここも気に入っているところだ。
技術内容については、上のリンク先を読んでもらうとして、
以前、別項「オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ヤマハのヘッドフォン)」で、
ヤマハの現行ヘッドフォンのデザインには違和感をおぼえる、と書いている。
今回のYH5000SEには、そういう違和感はないどころか、
むしろ、とてもヤマハらしい、とも感じている。
価格は五十万円ほど、らしい。
とにかくじっくり聴いてみたい、ひさびさのヤマハの新製品だ。
新製品とひと括りにしても、大きくわけて二つの種類の新製品があるといえる。
ひとつは、まったくの新製品である。
もうひとつは、改良モデルとしての新製品である。
どちらかであっても、新製品を聴く(ふれる)のは楽しい。
そうであっても、期待するところとなると、まったく同じなわけではない。
*
一つのものが、時間をかけて、愛情をもって練り上げられると、不思議に、そのものの個性が磨きをかけられて、強い主張として、見る者、触れる者に訴えかけてくるものである。このAU-D907リミテッドには、そうした熟成した魅力がある。例えは悪いかもしれないが、新製品にはどこかよそよそしい、床屋へ行きたての頭を見るようなところがある。きれいに整ってはいるが、どこか、しっくりこないあれだ。AU-D907リミテッドにはそれがない。刈ってから一~二週間たって自然に馴染んだ髪型を見るような趣きをもっている。中味を知って、音を聴けば、一層、その観が深まるであろう。
*
菅野先生が、ステレオサウンド 53号の特集「ステート・オブ・ジ・アート」で、
サンスイのプリメインアンプ、AU-D907 Limitedについて書かれた文章からの引用だ。
それまでの型番の末尾に、MK2とかAとかがつく改良モデルとしての新製品。
従来モデルを使っている人が期待するのは、ここのところが大きいはずだ。
従来モデルを使っていない人、関心もあまりなかった人にとっては、
まったくの新製品としての位置づけになるだろうし、
その新製品への期待は、他の新製品への期待と同じだろうが、
従来モデルを使っている人、特に愛用している人は、
《自然に馴染んだ髪型を見るような趣き》を求めてのもののはずだし、
それに応えてくれる新製品(改良モデル)は、これまでどのくらいあっただろうか、
そしてこれから、どのくらい登場してくるのだろうか。
以前、別項で書いている。
M20はずいぶん迷った。
買いたい、と本気で考えていた。
買っておけばよかったかな、と思ったこともある──と。
メリディアンのM20はパワーアンプ内蔵のアクティヴ型である。
M20購入に踏み切れなかった理由は、ここである。
まだ二十代なかばの私は、
パワーアンプを選べないアクティヴ型を積極的に求めようとはしなかった。
オーディオマニアの楽しみとして組合せがある。
アクティヴ型スピーカーは、その組合せの楽しみの一部を奪ってしまう──、
そんなふうに捉えていたから、M20の音に惚れ込みながらも手を出さずにおわってしまった。
ソーシャルメディアには、そういう意見を持つ人がいる。
あのスピーカーはいいけれど、アクティヴ型だからね、
パワーアンプが選べないからね──、
そんなことを目にすることがある。
以前の私がそうだったから、その心情はわからないわけではないが、
いまの私はそこにこだわりは、もうない。
210と218とM20の組合せ。
これを想像していると、特にそうである。
目の前にはM20しかない。
210と218はどこかに隠しておける。
操作はiPhoneがあればできる。
そういう環境で好きな音楽を楽しむのは、想像するだけで嬉しくなってくる。
こういう想像は、M20に限らない。
いまではアクティヴ型モデルは増えている。
デジタル入力をもつモデルも多い。
210があれば、それだけでシステムが構築できる。
MQAに非対応のアクティヴ型スピーカーであっても、
210があれば96kHzまでのコアデコードでMQAの音が聴ける。
そのことをちょっとだけでも想像してほしい。
インターナショナルオーディオショウは、音を聴くことだけでなく、
写真でしか見たことのない製品を直にみることができるのも楽しみの一つだ。
マッキントッシュのMCD85も、実機を見れるだろう、と期待していた。
エレクトリのブースに入った。もしかすると私が見落していた可能性もあるのだが、
MCD85は展示されていなかった。
あのカタチで展示してあったら、すぐに気がつくはずだから、やはり展示はなしだったのか。
今年の新製品であるMCD85の展示がない。
実機をみれば、少しは印象が違ってくかも──、と思っていただけに残念だ。