Archive for category 新製品

Date: 10月 1st, 2022
Cate: German Physiks, オーディオ評論, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とオーディオ雑誌・その2)

オーディオアクセサリーの石原俊氏の文章、
ステレオサウンドの山之内正氏の文章、
この二つのHRS130についての文章を読んだ後に、
ステレオサウンド編集長の染谷一氏の編集後記を読むと、あれこれ妄想してしまう。

染谷編集長は、試聴記について書かれている。
そこには、
《自分の好みをただ押し付けただけの感想の羅列を試聴記として読まされると、いったい何の目的を持って誰のために書かれた文章なのかと理解に苦しむ》
とある。

そして最後には、
《プロ意識が欠けたまま書かれた試聴記には何の価値もないと思う。自戒の念を強く込めて。》
と結ばれている。

最初、読んだ時、どういう心境の変化なのだろう──、と思った。
それにしても、ただ試聴記とあるだけで、
この試聴記が、どの試聴記を指しているのかは、ひどく曖昧というか、
どうとでも読めるような書き方だ。

インターネットにあふれている個人の試聴記なのか、
それともステレオサウンド以外のオーディオ雑誌の試聴記なのか、
《自戒の念を強く込めて》とあるのだから、
ステレオサウンドの試聴記も含めてのことなのか。

オーディオアクセサリー 186号の発売日と、
この編集後記が書かれたであろう時期とを考えると、
オーディオアクセサリーを読んでの編集後記ではない、と思われる。

にしても、HRS130についての石原俊氏の文章と山之内正氏の文章を読むと、
こういうことを書きたくなるのかもしれない──、というのは私の妄想でしかない。

Date: 10月 1st, 2022
Cate: German Physiks, オーディオ評論, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とオーディオ雑誌・その1)

おそらく今日からなのだろうが、
ステレオサウンド 224号がKindle Unlimitedで読めるようになった。

224号は、少し楽しみにしていた記事がある。
おそらく224号で取り上げられているであろう、
ジャーマン・フィジックスのHRS130の新製品紹介の記事である。

8月発売のオーディオアクセサリー 186号でもHRS130は取り上げられている。
9月発売のステレオサウンド 224号でも取り上げられていて、
オーディオアクセサリーでは石原俊氏、ステレオサウンドでは山之内正氏、
オーディオアクセサリーはカラーで6ページ、ステレオサウンドはモノクロ2ページである。

カラーであるとかモノクロであるとか、
6ページなのか2ページなのかよりも、そこに書かれている内容である。
内容が薄ければカラー6ページであっても、モノクロ2ページの記事に劣ることだってある。

けれど、HRS130に関しては、オーディオアクセサリーの4ページである。
ステレオサウンドの山之内正氏の文章よりも、
書き手(石原俊氏)の熱っぽさが伝わってくるからだ。

石原俊氏は以前はステレオサウンドに書かれていた。
いつのころからか、さっぱり書かれなくなっていた。
そしていつのまにかオーディオアクセサリーに登場されるようになった。

山之内正氏はオーディオアクセサリーに書かれていた、いまも書かれている。
二年ほど前からステレオサウンドに登場されるようになった。
いまではメイン執筆者の一人である。

その二人がHRS130の記事を書いている。
私は、石原俊氏の文章(オーディオアクセサリーの記事)を読んでほしい、と思っている。

Date: 9月 30th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その8)

実を言うと、TDA1541Aは、いま三つ所有している。
NOSのD/Aコンバーターを、いつかは作ろうと思って、取っておいたモノだ。

なので、以前からTDA1541Aは、
どこまでのサンプリング周波数に対応できるのかは、きちんとしたところが知りたかった。

ところが情報が錯綜しているというか、
はっきりとしたことはわからなかった時期もあった。

今回、メリディアンの210の登場によって、改めて調べてみた。
Audialというブランドに行き着いた。

S5 DACという製品がある。
このS5 DACは、TDA1541Aを搭載したNOS D/Aコンバーターである。

S5 DACの製品ページをには、こう書いてある。

●Non-Oversampling, real multibit TDA1541A DAC
●Master USB device (“asynchronous USB”), operating up to 384 kHz, with galvanic isolation and two low jitter master clocks

S5 DACのページには、TDA1541Aに関する興味深いことも記されている。

Date: 9月 29th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その7)

Mojoより上のグレードの、同じChordのD/Aコンバーターと組み合わせていったら、
どんな音がしてくるのだろうか。

Hugoがあって、Daveがあるわけだが、メリディアンの210は、
どのグレードまで対等に対応するのだろうか、ここにも興味がある。
単純に価格的にはHugoあたりまでだろうが、
それぞれの機能と価格ということを考慮すると、まだまだいけそうな感じもする。

現行機種でMQAに対応していないD/Aコンバーターと210の組合せもいいけれど、
同じくらいに私が関心があるのは、少し古い世代のD/Aコンバーターとの組合せの音だ。

たとえばワディアのD/Aコンバーター、
それも以前のD/Aコンバーターと210との音はどんなだろうか。

そのころのワディアのD/Aコンバーターは、
32kHz、44.1kHz、48kHzのサンプリング周波数にしか対応していない。
88.2kHz、96kHzには対応していない。

それでも、その音を聴いてみたい。
TIDALでは、44.1kHz、48kHzのMQAのアルバムはかなりの数が配信されている。
グレン・グールドも44.1kHzである。
私は、その音を聴いてみたい。

そしてさらに聴いてみたいと思っているのが、もうひとつある。
フィリップスのD/Aコンバーター・チップ、TDA1541のノン・オーバー・サンプリングの音だ。

TDA1541はいまから四十年ほど前のD/Aコンバーターである。
それこそ古すぎないか──、そういわれそうだが、
以前見たTDA1541に関する記事では、96kHzまで対応できる、とあった。

そうであるならば、
TDA1541のノン・オーバー・サンプリング(NOS)D/Aコンバーターは、
210との組合せで96kHzまでのMQAのコアデコードの音が聴けるわけだ。

Date: 9月 29th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その6)

メリディアンの210で試したいことの一番は、
MQAに対応していないD/Aコンバーターとの組合せである。

といっても私が所有しているD/Aコンバーターといえば、
メリディアンの218とChordのMojo、それにいわゆるTiny USB DACだけである。

このなかで、MQAにまったく対応していないのはMojoだけ。
なのでMojoでしか試すことができなかった。

これまでMojoでは、
iOS対応のアプリ、Amarra Playがソフトウェアによるコアデコードを行ってくれるので、
iPhoneとの接続でその音は聴いてきていた。

とはいえ、別項で触れているようにAmarra Playのコアデコードは、
途中のヴァージョンから、
サンプリング周波数を二倍にアップしたうえで出力するようになり、
レンダリングのみMQA対応D/Aコンバーターとの組合せでは、フルデコードができなくなった。

MQAのフルデコードは、コアデコードとレンダリングの両方が行われてのことだ。

210とMojoを接続する。
iPhoneとの接続はUSBだったが、210との接続はSPDIFである。
MojoのSPDIF入力は3.5mmのミニジャックなので、
デジタルケーブルは片側が3.5mmのミニプラグのモノが必要となる。

そういう仕様のデジタルケーブルは市販されている。
それを購入しようかと思っていたら、RCAとミニプラグの変換アダプター持っていた。

デジタル伝送に関わるところなので、
プラグとはいえインピーダンスを考慮しなければならないのはわかっている。
けれど、市販されているRCA-ミニプラグのデジタルケーブルがそうなのか、
ちょっと疑問に感じるところもあったし、とにかく音を聴きたい欲求がまさって、
変換プラグを使っての音出しである。

結果を先に書くと、よかった。
だからといって、iPhone(Amarra Play)+Mojoの音との比較ではない。
Mojoより上流のシステムが、210を使う時とiPhoneとでは大きく違うため、
比較対象にはならないからだ。

Mojo以外のD/Aコンバーターとの組合せでも、聴いてみたい、と思った。

Date: 9月 28th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その5)

メリディアンの210を借りて、いくつかのことを試していた。
ちょうど忙しい時期と重なっていて、
試しておきたかったことの半分もできなかったけれど、なかなかに楽しかったとともに、
210と同種の新製品はこれからけっこう登場してくるであろうが、
この種の製品の新製品の紹介記事はなかなかにやることがあって、
大変だろうな、と思ってもいた。

ストリーマーと呼ばれる製品はすでにいくつかある。
そんななかで、210が特徴的なのはMQAのコアデコード機能を有していることだ。

96kHzまでのコアデコードは、ソフトウェアデコードがいくつかある。
210はハードウェアデコードであり、
MQA対応のD/Aコンバーターも、もちろんハードウェアデコードである。

ソフトウェアによるコアデコード、ハードウェアによるコアデコード。
結果としての音がまったく同じならば、どちらでもいいわけだが、
いまのところ、私が聴いた範囲(それほど多くない)では、
やはりハードウェアデコードでMQAを聴いてほしい。

特に、まだMQAの音を聴いていない人は、ハードウェアデコード、
それもできればフルデコードの音を聴いてほしいところだが、
210の登場は、そこまでいかないけれど、ハードウェアによるコアデコードの音を、
多くのオーディオマニアに提供できる。

将来的にはソフトウェアデコードの音は良くなっていくことだろう。
いまはこんなことを言っている私でも、将来はソフトウェアデコードの音で十分、
もしくはソフトウェアデコードの音がいい──、
そんなことを言い出すかもしれないが、
少なくとも現時点では、私の聴いた範囲でのことなのだが、
ハードウェアデコードの音で、MQAの実力を判断してほしい、と思う。

Date: 9月 13th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その4)

くり返すが、メリディアンの210は、2019年に発表されている。
なので日本以外の国では、いまとなっては新製品とは呼べないのだが、
オンキヨーのせいで、ようやく210の取り扱いが開始になっている。

210は、新製品なのだろうか。
オーディオ雑誌は、210を新製品として取り扱うのだろうか。

ステレオサウンドの最新号(224号)はまだKindle Unlimitedでは読めないで、
自分の目で確認しているわけではないが、
224号の新製品紹介記事には、210は登場していない、と友人が教えてくれた。

225号で取り扱われるのだろうか。
225号でも取り扱われないのか。

Date: 9月 12th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その4)

サウンドクリエイトは、銀座二丁目の古いビルの二階と五階にある。
このビルは、昭和のビルそのものである。そうとうに古い。

その古いビルとサウンドクリエイトの雰囲気は、
いい感じでマッチしているようにも思う。

ジャーマン・フィジックスは五階にあった。
ソファにすわると、男性のスタッフの方がiPadを渡してくれる。
iPadで選曲するので、CDを持参することなく、聴きたい曲が聴けた。

ほんとうに便利な時代になった、と思う。

連れの彼が一曲目を選び、次に私が、三曲目はまた彼が──、
そんな感じで、約一時間、ジャーマン・フィジックスの音を聴いていた。

私が最初に選んだのは、
ケント・ナガノと児玉麻里によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番だ。
何度もここで書いているように、
この演奏(録音)は、菅野先生のリスニングルームで聴いている。
菅野先生のリスニングルームで聴いた最後のディスクでもある。

そして、もっとも驚いた演奏(録音)でもある。

その次に選んだのは、サー・コリン・デイヴィスのベートーヴェンの序曲集からコリオラン。
コリン・デイヴィスのコリオランは、エソテリックのSACD第一弾で、
発売になった年のインターナショナルオーディオショウでは、いくつかのブースで鳴っていた。

この演奏(録音)も、菅野先生が高く評価されていたし、
菅野先生のところで何度も聴いている。

ひさしぶりに聴けるジャーマン・フィジックスでは、
この二枚のディスクは外せない。

Date: 9月 12th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その3)

私がジャーマン・フィジックスの製品のなかで、
ほんとうに欲しいと思っているのは、Unicornである。

いまはUnicorn IIになっているが、私は初代のUnicornに魅力を強く感じている。
Unicornといっても、若いオーディオマニアの人たちは知らない存在になっているかもしれない。

Unicornは、ジャーマン・フィジックス独自のDDD型ユニットを一本だけ搭載し、
独自のエンクロージュアとの組合せで、フルレンジ型としてまとめたもの。
もちろん低音は、それほど低いところまで出せるわけではない。

制約もあるスピーカーシステムではあるが、
Unicornの魅力について語り出したら止らなくなるので、
ここでは省くことにする。

私がタイムロードが取り扱っていた時代に聴いたのは、
Unicornの他には、フラッグシップモデルのGaudí、PQS402、Troubadour 40と80、
それに今回聴いたHRS130と同型のモデルを聴いている。

インターナショナルオーディオショウでのタイムロードのブース、
タイムロードの試聴室、とあるオーディオ店、知人のリスニングルーム、
そして菅野先生のリスニングルームにおいて、聴いている。

いうまでもなく、このすべてはチタン・ダイアフラム採用のDDD型ユニットである。
今回のHRS130はカーボンを採用している。

それにサウンドクリエイトでのラインナップは、聴いたことのない機種が含まれていた。
サウンドクリエイトでの試聴も初めてである。

なので、それまで聴いてきたジャーマン・フィジックスの音と比較して、
こまかいことを語ろうとは、まったく思っていない。

書きたいことは、サウンドクリエイトで聴けてよかった、ということ。
そしていちばん書いておきたいのは、MQAで聴いてみたかった、ということ。
それもできればメリディアンのULTRA DACを使って、である。

Date: 9月 11th, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その3)

今日の午後、メリディアンの210が宅急便で届いた。
オーディオ仲間の若い友人のHさんが、
先週「210、一週間ほどでしたら貸しましょうか」といってくれたからだ。

メリディアンの210の発表は、2019年8月だった。
それから三年経っての210との対面である。

改めて書くことなのかと思いながらも、
オンキヨーの無責任さは、何度でも書いておく。

2019年の発表からそう経たないうちに、
メリディアンの輸入元がオンキヨーにかわるというニュースがあった。

イヤな予感はあった。
たっぷりとあった。
そのころからすでにオンキヨーについてのウワサは耳にしていたからだ。

結局、オンキヨーはメリディアンの輸入元として何もしていない。
何もしていないのは、いわばマイナスの三年間だった。

オンキヨーのせいで、210の日本での発売は止ったままだった。
210は、すでに新製品とは呼べないけれど、日本では新製品といっていい。

210は、チューナーでもあり、D/Dコンバーターでもある。

Date: 9月 10th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その2)

今も昔も、行きつけのオーディオ店がない。
行きつけのオーディオ店があれば、そこで聴きたいモデルが聴けるとなれば、
私でもすぐに聴きに行くだろうが、くり返すけど、行きつけのオーディオ店がない。

そんな私は誰かに誘われでもしないかぎり、
オーディオ店で何か試聴することはない。

今回は違った。
ジャーマン・フィジックスの輸入元であるタクトシュトックが、
今秋開催のインターナショナルオーディオショウに出展するのであれば、
そこで聴ける機会はあるけれど、タクトシュトックは出展しない。

となると親しい誰かが購入するか、
オーディオ店で試聴するぐらいしか、いまのところない。

サウンドクリエイトには、試聴の問合せをすることなく行った。
にも関わらずとても丁寧な対応をしてくださり、
15時から試聴の予約が入っているけれども、それまでなら大丈夫です、となった。

これがトロフィーオーディオ店だったら、どんな扱いをされたか。
今回は私一人ではなく、二人だった。

連れの彼も、サウンドクリエイトは初めてだった。
それに二人とも、高価なオーディオ機器を買いに来たという身なりではなかったし、
試聴だけが目的だったことは、サウンドクリエイトのスタッフの方もわかっておられただろう。

トロフィーオーディオ店だったら──、
客扱いされることはないと思うし、
そのことを批判したいわけてはない。

商売をやっているのだから、一文の得にもならない者の相手をするのは、
時間、労力の無駄。そういう考えを否定はしない。

でも、そういうオーディオ店ばかりではオーディオの世界は拡がっていくことはない。
トロフィーオーディオ店(屋)で買ってこそ、という人もいるのだから、
トロフィーオーディオ屋がなくなければいいとも思っていない。

今回、ジャーマン・フィジックスのスピーカーをサウンドクリエイトで聴けたことは、
よかった、と素直にいえる。

Date: 9月 7th, 2022
Cate: German Physiks, 新製品

ジャーマン・フィジックス HRS130(とサウンドクリエイト・その1)

7月10日から日本での発売が開始になったジャーマン・フィジックスのHRS130。

タイムロードが扱っていた頃は、よかった。
2006年に、突然輸入元がゼファンになった。
それからは、ひどかった。

ジャーマン・フィジックスの製品、その音がひどかったのではない。
ゼファンによる扱いがひどかった。
しかもわずかな期間で取り扱いをやめてしまっている。

それからは、ジャーマン・フィジックスの日本での取り扱い元はなかった。
かなり長い間、そういう状態だった。
ジャーマン・フィジックスの不在の時期は、私にとっては実際の年月よりも長く感じられた。

今年6月に、タクトシュトックが取り扱うニュースが届いた。

まだいまのところ取り扱い製品は、HRS130だけである。
それでも、いい。とにかくもう一度ジャーマン・フィジックスが聴ける。

とはいえ、これまで聴く機会はなかった。
今日、聴いてきた。

場所は、サウンドクリエイトである。
サウンドクリエイトは、銀座二丁目にある。

私は、以前から銀座にきちんとしたオーディオ店があるべきだ、と思っていた。
親しい人とも、そんなことを何度か話したことがある。

サウンドクリエイトは、以前の場所のときに、ほんのちょっとだけのぞいたことがあるくらい。
ほんとうにわずかな時間だったから、今回が初めて、といっていい。

どういうオーディオ店なのかは、なんとなくは知っていたけれど、
それはなんとなくでしかなかったことを、実際に行って感じていた。

HRS130は今日までの展示・試聴だった。
もしこれが、トロフィーオーディオ店と呼ぶしかない、そんな店だったら、
私は行かなかった。

今回は、ジャーマン・フィジックスのスピーカーということ、
そしてサウンドクリエイトということが重なって、
こういうことにはやや重い腰の私でも、行って聴いてこよう、になる。

Date: 8月 3rd, 2022
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その2)

210の取り扱いが正式に発表になっている。
発売開始は8月22日、価格は163,900円(税込み)。

210は、コアデコード機能をもつ。
だからこそ、210の日本での発売を首を長くして待っていた。

Date: 7月 13th, 2022
Cate: 新製品

新製品(マッキントッシュ MC3500・その7)

その1)を書いたのが2021年11月。
12月発売のステレオサウンド 221号には間に合わないだろうが、
3月発売の222号では紹介記事が載るだろうと思っていたら、
6月発売の223号の扱いである。

カラー三ページの扱いで、柳沢功力氏が担当されている。
223号で柳沢功力氏は、
《この桁外れの大型機は、当時の日本には紹介されることすらなく、その後、わずか3年ほどの短命に終る》
と書かれている。

1976年春発売のステレオサウンド 38号掲載の山中先生のリスニングルームには、
MC3500が鎮座している。
それに私が初めて手にしたオーディオの「本」、
「五味オーディオ教室」にもMC3500のことは登場している。

(その1)でも引用しているが、ここでもう一度引用しておく。
     *
 ところで、何年かまえ、そのマッキントッシュから、片チャンネルの出力三五〇ワットという、ばけ物みたいな真空管式メインアンプ〝MC三五〇〇〟が発売された。重さ六十キロ(ステレオにして百二十キロ──優に私の体重の二倍ある)、値段が邦貨で当時百五十六万円、アンプが加熱するため放熱用の小さな扇風機がついているが、周波数特性はなんと一ヘルツ(十ヘルツではない)から七万ヘルツまでプラス〇、マイナス三dB。三五〇ワットの出力時で、二十から二万ヘルツまでマイナス〇・五dB。SN比が、マイナス九五dBである。わが家で耳を聾する大きさで鳴らしても、VUメーターはピクリともしなかった。まず家庭で聴く限り、測定器なみの無歪のアンプといっていいように思う。
 すすめる人があって、これを私は聴いてみたのである。SN比がマイナス九五dB、七万ヘルツまで高音がのびるなら、悪いわけがないとシロウト考えで期待するのは当然だろう。当時、百五十万円の失費は私にはたいへんな負担だったが、よい音で鳴るなら仕方がない。
 さて、期待して私は聴いた。聴いているうち、腹が立ってきた。でかいアンプで鳴らせば音がよくなるだろうと欲張った自分の助平根性にである。
 理論的には、出力の大きいアンプを小出力で駆動するほど、音に無理がなく、歪も少ないことは私だって知っている。だが、音というのは、理屈通りに鳴ってくれないこともまた、私は知っていたはずなのである。ちょうどマスター・テープのハイやロウをいじらずカッティングしたほうが、音がのびのび鳴ると思い込んだ欲張り方と、同じあやまちを私はしていることに気がついた。
 MC三五〇〇は、たしかに、たっぷりと鳴る。音のすみずみまで容赦なく音を響かせている、そんな感じである。絵で言えば、簇生する花の、花弁の一つひとつを、くっきり描いている。もとのMC二七五は、必要な一つ二つは輪郭を鮮明に描くが、簇生する花は、簇生の美しさを出すためにぼかしてある、そんな具合だ。
     *
MC3500の実機は見たことはある。
その3)に書いているように赤坂のナイトクラブのステージで使われていた。
音を聴く機会はなかった。

なので、MC3500の音のイメージは、
私の場合は「五味オーディオ教室」の文章からつくられている。

223号のMC3500の記事を読むと、柳沢功力氏も聴かれていないようである。
だから、こう書かれている。
     *
 ところで普通、MkII機のサウンドは、まずオリジナル機との違いを探そうとするのだが、今回は無理。でも想像としては、あの時代の、それも音楽祭での使用を目的とした大出力機だから、まずエネルギー感にはじまるサウンドを想像したくなる。
     *
何によってオリジナルのMC3500の音を想像するのかによって、
ずいぶん違ってくるものだなぁ……、とおもうしかない。

Date: 7月 11th, 2022
Cate: 新製品

JBL SA750(その23)

ステレオサウンド 222号を、いまKindle Unlimitedで読んでいるところなのだが、
新製品紹介の記事で、アーカムのSA30が取り上げられている。
高津 修氏が担当されている。

CDプレーヤーのCDS50ととともに二ページ見開きでの扱いである。
高津 修氏の文章のどこにもJBLのSA750のベースモデルということは記述がない。

なので当然だが、SA750との音の比較についても、何も語られていない。
その22)で書いているようにHiVi 12月号には、
山本浩司氏がSA750とSA30の比較しての試聴記が載っている。

いうまでもなくステレオサウンドもHiViも、株式会社ステレオサウンドが出している。
一方ではSA30とSA750との関係性についてはまったく無視。
もう一方はきちんと比較試聴したうえでの記事を載せている。

ということは、このことは株式会社ステレオサウンドの方針というよりも、
ステレオサウンド編集部の方針とHiVi編集部の方針の違い、ということになる。

別項「B&W 800シリーズとオーディオ評論家(その17)」でも書いているように、
読者が知りたいと思っているであろうことを、あえて避ける(無視する)。
それが、いまのステレオサウンド編集部なのだろう。