ラックのこと(その11)
ヤマハのGTR1Bはかなりの台数が売れた、と聞いている。
ヤマハのGTR1Bは製造中止になったが、後継のGTR1000がいまも売られている。
ヤマハのGTラックの成功は、他社からのラックの登場を促した。
それまでの国産メーカーから発売されていたラックは、縦型横型ともに、
レコードの収納スペースが最下段にあり、アンプ、チューナー、カセットデッキが収納でき、
天板のところにアナログプレーヤーを置く、というものだった。
そしてキャスターつきのものが多かった。
GTラック以降、登場してきたラックは、それまでの一般的なラックとは大きく違ってきた。
そしてこのころから海外製のラックも輸入されるようになってきた。
それまでの海外製のラックといえば、バーズリイ(Barzilay)、スターコンビ(Star Combi)、B&Oぐらいだった。
これらは家具としてのラックだった。
これらの海外製のラックと1980年代中頃から輸入されるようになってきたラックには、
はっきりとした違いがあった。
このことはGTラック以降登場してきたラックにも同じことがいえる。
それまではオーディオ機器とレコードの収納家具としてのラックから、
オーディオ機器の置き台としてのラックへと変化していった。
そして高価になっていった。
GTラック登場以前の国産のラックは、五万円前後のモノが大半だった。
ヤマハのマリオ・ベリーニ・デザインのラックでも、安価なモノ(BLC105T)は28000円からあったし、
最も高価なBLC203Rでも86000円だった。
BLC203Rはレコード収納がふたつあり、約100枚のLPが収納でき、
アクセサリーやカセットテープが収納できる引き出しもふたつある。
アンプやチューナーは三台収納できるように棚板があり、プレーヤーが置ける天板もかなり大きめのサイズだった。
外形寸法はW164.4×H120.0×D46.0cmだった。