ラックのこと(その4)
ラックの使いこなし、と書いてしまうと、いかにも変な感じがするけれど、
ヤマハのGTR1Bの使い方は、最初のころとしばらく経ってからでは変ってきている。
GTR1Bはつねに試聴室では四台横一列に並べていた。
最初のころは、四台をくっつけて置いていた。
それでも、それまで使っていたテーブルにアンプやCDプレーヤーなどを置くよりは、
いい結果が得られていたから、特に問題とは考えていなかった。
それに試聴風景は撮影することが多い。
そういう時のことを考えても、ぴしっと並べてある、という印象のためにも、
ぴったりくっつけていたわけである。
どんな材質にも固有音があるということは、
どんなモノにもやはり固有音がある、というわけで、
GTR1Bにも、GTR1Bの固有音があり、試聴室という場所に置かれるラックとして、
そういう固有音はできれば抑えたい。
これが個人のリスニングルームであれば、その固有音をうまく活かす音づくりもあるけれど、
試聴室はあくまでもさまざまなオーディオ機器を試聴するための部屋であるのだから、
固有音に対しても違ってくるわけだ。
そういうわけで、GTR1Bにはいくつかの方法で、
GTR1Bの固有音を抑える(というより和らげる)ようにしていた。
そのひとつが、少し離して置くことである。