ラックのこと(その1)
HI-FI STEREO SUIDEが10冊ほどある。
田中一光氏デザインの表紙のものだ。
記憶を呼び起こすために、パラパラとめくる。
あっ、こんな製品があった、あった、となる。
スピーカーやアンプ、プレーヤーに関してはあまりそんなことはないけれど、
アクセサリー関係となると、あった、あったと思う回数が増える。
ずいぶん様相が変った、というところもある。
あまり変らないな、と思うところもある。
1970年代と比べて、大きく変ったともいえるし、
別の面からみるとあまり変っていないともいえるのが、ラックである。
アンプやCDプレーヤーなどのオーディオ機器を収納する、あのラックである。
以前のラックは横型、縦型があり、
レコードも収納できるようになっていた。
いわゆるシステムコンポーネント用のラックともいえる。
中にヤマハのBLCシリーズは、マリオ・ベリーニによるデザインのラックで、
ヤマハもそのことを広告、カタログで謳っていたし、
BLC103は五味先生も使われていたラックだ。
このころのラックは、音質的に優れていることを謳っていたモノはひとつもない。
音質に考慮したラックが登場しはじめるきっかけとなったのは、
ヤマハのGTR1ではなかろうか。