Archive for category 「ルードウィヒ・B」

Date: 9月 25th, 2009
Cate: 「ルードウィヒ・B」

「ルードウィヒ・B」(その2)

未完で終ってしまった「ルードウィヒ・B」だが、同じくクラシック音楽をテーマとした、
現在進行中の「のだめカンタービレ」が、いよいよ次号で最終回を迎えるようだ。

今日発売の「Kiss」最新号掲載の同作品の最終ページに「次号、グランドフィナーレ」の文字があった。
「Kiss」は月2回発行(10日と25日)だが、「のだめカンタービレ」の掲載は、基本的に月1回。
掲載誌で読み、単行本でまた読んできた。
なにか素晴らしい決着で終りそうな予感にみちた今回の話も、
読んでいて「じーん」とくる、ふたりの演奏シーンがある。

「ルードウィヒ・B」と「のだめカンタービレ」は、時代設定も、主人公が作曲家とピアニストかという違いがある。
それだけでなく、違いは、手塚治虫と「のだめカンタービレ」の作者、二ノ宮知子では、
音楽の表現手法にもある。

Date: 1月 26th, 2009
Cate: 「ルードウィヒ・B」

「ルードウィヒ・B」(その1)

「ルードウィヒ・B」は手塚治虫氏の未完となった3作品のひとつであり、
タイトルから想像できるとおり、ベートーヴェンを主人公とした作品である。

紙からは音は出てこない。そんな平面の世界──制約だけの世界──で、
一瞬たりとも立ち止まることのない音楽を、どう表現するのか。
手塚治虫の答えが、「ルードウィヒ・B」には、いくつか提示されている。

バッハの平均律クラヴィーアを描いた1コマは、圧巻と言うしかないだろう。

物語がどういう展開になるのかは、もう誰にもわからない。
「ルードウィヒ・B」はおそらく、まだ全体の4分の1くらいのところだったのではないか、
そんな気がしてならない。

ハ短調交響曲を、手塚治虫はどう描き切るのか、
「第九」は……、後期のピアノ・ソナタは……、そのなかでも作品111は、どうなっていっただろうか。

回を追うごとに、手塚氏の表現力は増していっただろう。

私の想像が追いつくことはこないだろう。
それでも、想像をめぐらすしか、他にない。

「ネオ・ファウスト」も「グリンゴ」も続きが読みたかった。
「ルードウィヒ・B」は読みたいだけでなく、せめて1コマでいいから見たかった作品である。