オーディオがオーディオでなくなるとき(その5)
SACDがDSDではなく、CDと同じPCMで、
サンプリング周波数、ビット数を44.1kHz、16ビットから離れて高めたものてあったなら、
スーパーレゾリューションよりもハイレゾリューションのほうが、
的確に表現しているといえる。
でもSACDはPCMではなくDSDである。
同じデジタルといっても、変調方式の違いがはっきりとある。
そのことを伝える意味でも、
ハイレゾリューションではなく、スーパーレゾリューションを、
ソニーの出井伸之氏は使われたのかもしれない。
CDの登場は1982年。
そのころのパソコンのCPUの動作周波数はどのくらいだったか。
2017年のいま、CPUの動作周波数はどこまで高くなっている。
しかも内部もシングルコアからマルチコアへと変化している。
いまハイレゾと呼ばれている規格の定義。
電子技術産業協会(JEITA)による定義と、
日本オーディオ協会(JAS)による定義は同じではない。
JEITAの定義では、CD規格よりも、サンプリング周波数、ビット数、
どちらかが超えていればハイレゾとなる。
もちろんもう一方は最低でもCD規格と同じでなければならない。
ここでのCD規格とは44.1kHz、16ビットではなく、48kHz、16ビットであるから、
48kHz、18ビットであってもハイレゾということになる。
どちらの定義にしても、そこには数値がある。
数値があるということは、技術の進歩によって、CPUの動作周波数が上っていったように、
上へ上へと目指していく。
ということはハイレゾ(High Resolution)は、
ハイアーレゾ(Higher Resolution)、さらにはハイエストレゾ(Highest Resolution)、
ハイレゾに留まらないのかもしれない。