オーディオがオーディオでなくなるとき(その2)
仮にオーディオ雑誌からオーディオマニア訪問記事がなくなったとしても、
いまはインターネットがあるから、
さまざまなオーディオマニアのリスニングルームの写真を見ようと思えばいくらでも見られる。
オーディオマニアの数だけのリスニングルームがある。
中には、どれだけの資産があれば、これだけのリスニングルームとオーディオ機器を揃えられるのか、
そんなことを考えてしまうほどの部屋もある。
非常に高額なオーディオ機器が、いくつも並んでいる。
よく所狭し、という表現をするが、
そういうところは、所狭しとは無縁だ。
多くのオーディオ機器が整然と並んでいる。
そこに、憧れを抱くか、といえばそうでもない。
そういう部屋と対照的だったのが、岩崎先生の部屋だ。
ステレオサウンド 38号に載っている。
JBLのパラゴンが正面にあり、その両端にはアルテックの620Aが上下逆さまで置かれている。
パラゴンの上に620Aが乗っている。
パラゴンのほぼ中央にはマイクロのアナログプレーヤー。
コントロールアンプのクワドエイトLM6200Rもある。
パラゴンの隣にはJBLのハークネスが隠れるようにある。
パラゴンの対面にもスピーカーがあり、部屋の両サイドにはさまざまなオーディオ機器が積み上げられている。
それこそ所狭しとオーディオ機器がある。
岩崎先生の部屋に行かれた方の話だと、ほんとうに足の踏み場がない、とのこと。
床にもアンプがいくつも置かれていて、アンプとアンプの間のわずかなすきまを歩いていく。
岩崎先生の部屋の写真を見ていると、いいな、と素直に思う。
こういう雰囲気は出せないな、とも思う。
私は、岩崎先生の部屋に、オーディオを感じてしまう。