Archive for category 218

Date: 10月 18th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・本音)

メリディアンの輸入元が、
現在のハイレス・ミュージックからオンキヨーへ、12月からかわる。

10月9日のオーディオ関係のウェブサイトのいくつかでニュースになっていたし、
私もここで書いている。

オーディオ関係のサイトでは、コンシューマー機器に関しては未定、というふうになっていた。
けれど、すべてオンキヨーに12月からなってしまう。

輸入ブランドの場合、輸入元が変るのは、昔からよくあることだ。
輸入元が変ったことで、ブランドイメージが変ることもある。
よくなることもあれば、反対のこともある。

往々にして輸入元が頻繁に変るブランドのイメージは、あまりよくない傾向にある。
それでもさまざまな事情があって、輸入元がかわる。

どこになっても、製品そのものが変るわけではない。
メリディアンの製品はメリディアンが製造しているわけで、
オンキヨーになったからといって、製品の質に変化が生じるわけではない。

価格に関しては、なんともいえない。
変らない場合もあるし、変る場合もある。

オンキヨーでの取り扱いが始まって、価格が変るのかどうかは知らない。

輸入元以外、現行製品に関しては何も変らないかもしれない。
それでも心情的に、私は喫茶茶会記には、
オンキヨー扱いの218ではなく、ハイレス・ミュージック扱いの218を入れたかった。

10月2日のaudio wednesdayの後に、店主の福地さんが、
218を導入したい、といってきた。
私は春に218を鳴らした時から、218を入れようよ、と福地さんには何度か言ってきた。

その気になってくれた一週間後に、オンキヨーに移る、というニュースだった。
福地さんの決心は早かったし、固かった。

ハイレス・ミュージック扱いの218を納めることができた。
よかった、うれしい、というのが、私の本音だ。

Date: 10月 18th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その3)

今日、喫茶茶会記にメリディアンの218をセッティングしてきた。
USBをSPDIFに変換するD/Dコンバーターもセッティングしてある。

218での音が、これからずっと聴けるようになっている。
たったそそれだけのこと、といってしまえば、そうかもしれない。

けれど、MQAの音を多くの人に聴いてもらえる環境が常にあるということは、
素直に嬉しい。

これまでは喫茶茶会記では、audio wednesdayで、
メリディアンのULTRA DAC、218を用意できた時だけだった。
だからこそ嬉しいわけだ。

218に関心のない人にはどうでもいいことだが、
218のシリアルナンバーは、218から始まっている。

Date: 10月 14th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(喫茶茶会記の場合・その2)

今週半ば以降に、喫茶茶会記にメリディアンの218が導入される。
通常の使用では、マッキントッシュのMCD350のデジタル出力を218に接続することになる。

218と同時に、USBをSPDIFに変換するD/Dコンバーターも導入予定である。
これで来月以降のaudio wednesdayで、218を、MQA-CDを聴けるようになる。

Date: 10月 7th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(リモコンのこと)

2,500,000円(ULTRA DAC)と125,000円(218)は、
リモコンが付属するかしないかの違いがある。

ULTRA DACはリモコンがついてくる。
218にはついてこない。

リモコンがついてくるついてこないの違いなんて、
関係ない、と思われる人もいるだろうが、
ULTRA DACにしても218にしても、DSPを活かした機能に関してはリモコンが必要になる。

しかも218のリモコンは、iPhoneかiPadで動くアプリMeridian IP Controlのことである。
つまりiPhone、iPadがなければ、218の機能を使いこなすことは、
現時点ではできない。

iPhoneでできるのならば、Androidで動くスマートフォンでも……、と思われるかもしれないが、
将来はどうなるかわからないが、いまのところAndroidのスマートフォンには用意されていない。

それにULTRA DACについてくるリモコンは、
一般的なリモコンと同じ赤外線を使っているが、
218のリモコン、つまりiPhoneには赤外線の機能はない。

そのため、218とリモコンとして使うiPhoneは、
同一ネットワークに接続されている必要がある。

こんなふうに書いてしまうと、難しいことのように思われるかもしれないが、
このブログを読まれている人は、インターネットに接続されているわけだから、
基本的に、そのネットワークにLANケーブルで218を、Wi-FiでiPhoneを接続すればいい。

特に難しいことはない。
同一ネットワークに218とiPhoneが接続されていれば、
Meridian IP Controlですぐに使えるようになる。

ULTRA DACと218の価格の違いには、こういうところも含まれているわけだ。

Date: 10月 6th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その2)

10月2日のaudio wednesdayでは、
後半、MacBook Airをシステムに加えて、Roonによる音も聴いている。

iPhoneにRoonのアプリを、その場でインストールする。
こういう時、なんて便利な世の中になったのか、と実感する。

Roonでいくつかの曲を聴いて後、
マリア・カラスの「カルメン」を聴いた。
96kHzの音源であった。

マリア・カラスの「カルメン」は、
2018年12月のaudio wednesdayでも聴いている。
ULTRA DACで聴いている。

この時のことは「メリディアン ULTRA DACで、マリア・カラスを聴いた」で書いている。
この時聴いたのはCDである。
44.1kHz、16ビットの、通常のCDである。

この時のマリア・カラスは、強烈だった。
いまも耳の奥にしっかりと刻み込まれている。

特に、ULTRA DACのフィルターをshortにした時のマリア・カラスは、
姿こそ見えないけれど、確かに私の目の前にいた、と感じた。

声楽を志す者であれば、誰もがULTRA DACのshortの音を手に入れようとするだろう。
声楽を専門とする人ほど、この時の音のすごさを理解することだろう。

とにかく、どうやって歌うのか。
声楽の素人である私ですら、なんとなくであっても、そうとうにリアルに感じられるほどだ。

その時の音と、218での96kHzのマリア・カラスの「カルメン」。

音源のスペック的には、今回の96kHzが有利である。
なんでもかんでも数字・数値で音を判断しようとする人にとっては、
96kHzというだけで、いい音に聴こえるのだろう。

218での、96kHzのサンプリング周波数のマリア・カラスは良かった。
バックのコーラスはよく広がるし、マリア・カラスの声もいい。

ULTRA DACでの音を聴いていなければ、満足したはずだ。
でもULTRA DACでのマリア・カラスを聴いてしまっている。

Date: 10月 5th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN, ULTRA DAC

2,500,000円と125,000円(その1)

タイトルを見ただけで、なんのことかわかる人は、
MQAに興味を持っている人、
メリディアンの二つのD/Aコンバーターに関心を持っている人である。

2,500,000円はULTRA DACの、
125,000円は218の税抜き価格である。

ULTRA DACは218の20台分である。
どちらも優れたオーディオ機器である。

それでも12月発売のステレオサウンドの特集、
ベストバイでは、どちらも高い点数を得ることはないだろう。

ベストバイということでは、218のほうが、ULTRA DACよりもそうである、ということはできる。
ULTRA DACと218は価格だけでなく、サイズの違いも大きい。
容積で計算すれば、ULTRA DACは218の何台分だろうか。

ULTRA DACと218を、喫茶茶会記でのaudio wednesdayで聴いた人はいる。
でも片方だけという人もいる。

218だけを聴いた人は、特にULTRA DACとはどれだけ差・違いがあるのか、
気になるところのはずだ。

私も、実は直接比較試聴しているわけではない。
それでも自分でセッティングしたシステムの音でのことだから、
おおよその想像はつく。

ULTRA DACと218は、価格ほどの違いはない、ともいえるし、
価格以上の格の違いがある、ともいえる。

どんな音楽を、どう聴くのかによって、ここはどちらにも揺れる。
218は、本筋の音を鳴らしてくれる。

これで充分だよ、といいたくなる気持は私だって強い。
だからこそ、audio wednesdayに来てくれた人にすすめるし、
喫茶茶会記の店主、福地さんにもすすめたわけだ。

10月になったので、消費税が8%から10%になり、
218の購入もその分高くなっている。

それでも218は、ベストバイとして自信をもってすすめることができる。

Date: 8月 13th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(210 Streamerの登場)

facebookを眺めていたら、
Meridian 210 Streamerという文字が飛び込んできた。
写真も、もちろんあった。

218と同じといえる筐体。
facebookでは、YouTubeへのリンクもあった。

もちろんメリディアンのウェブサイトにも、210のページはある。

218を聴いていない人にとっては、どうということのない製品に思えるだろうが、
218でMQAの音を聴いている人は、おっ、と思うはずだ。

Date: 5月 10th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その12)

子宮回帰願望うんぬんというのは、
おそらくケイト・ブッシュの一枚目“THE KICK INSIDE”、
二枚目の“Lionheart”までの印象で語られたのではないか、とおもう。

三枚目の“Never for Ever”がもしデビューアルバムだったとしたら、
“THE KICK INSIDE”も“Lionheart”も存在していなかったとしたら、
ケイト・ブッシュが好きな男は子宮回帰願望の強いやつだ、みたいなことは、
おそらく出てこなかった、と思う。

なのにULTRA DACでの“THE DREAMING”を聴いていて、
私は子宮回帰願望について思い出していたし、聴き終ってからは考えてもいた。

“Never for Ever”のジャケットのイラスト。
どんなイラストなのかはここでは説明しないので、
Googleで画像検索してみてほしい。

私が“THE DREAMING”に感じている子宮的世界とは、
“Never for Ever”のジャケット的世界に、
さらに深く入りこんでしまったかのような──、
“THE KICK INSIDE”と“Lionheart”までの子宮回帰願望と、
“THE DREAMING”での子宮回帰願望を同じに感じる人は、そうはいないと思う。

ケイト・ブッシュは“Never for Ever”から、プロデュースも担当し始めた。
ジョン・ケリーと共同であった。
“THE DREAMING”で、ケイト・ブッシュ単独のプロデュースである。

だからなのかもしれない、そう感じてしまうのは。

よくハイエンドオーディオの世界では、
スピーカーの後方に音場が出来上る、といわれる。

私は“THE DREAMING”において、そんな音場の出来方はまったく求めていない。
そんな音場が再現されたところで、子宮回帰願望が満たされるわけがない。

Date: 5月 10th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その11)

3月6日のaudio wednesdayで、
マッキントッシュのMCD350で、ケイト・ブッシュの“THE DREAMING”を聴いた。

4月3日のaudio wednesdayでは、メリディアンのULTRA DACで“THE DREAMING”を聴いた。

そして今回(5月1日)のaudio wednesdayで、メリディアンの218で“THE DREAMING”を聴いた。

2108年リマスター盤を三回続けて聴いている。

私にとって圧倒的だったのは、いうまでもないけれど、
ULTRA DACでの“THE DREAMING”の音だった。

次はMCD350での“THE DREAMING”だった。
そして僅差で218での“THE DREAMING”と、あえて順位をつければこうなる。

218での“THE DREAMING”は、MCD350と218を接続するケーブル、
今回は比較的柔らかい(音ではなく実際に手で触れた感触)のケーブルだった。
ここのケーブルを傾向の違うモノにすれば──、ということは次の機会に試してみたい。

私が10代のころ、
ケイト・ブッシュが好きな男は子宮回帰願望の強いやつだ、みたいなことがいわれていた。

誰が言い始めたことなのか、
ほんとうなのかどうかも、どうでもいいことなのだが、
ULTRA DACでの“THE DREAMING”を聴いていて、このことを久しぶりに思い出していた。

たしかにそうかもしれないなぁ、と、
ULTRA DACでの“THE DREAMING”にどっぷり浸かって聴いていると、
否定できない気持になってくる。

といっても、一般にイメージされている子宮とは、まったく違う子宮であり、
それはあくまでも私の勝手な想像によるケイト・ブッシュの“THE DREAMING”的子宮である。

こういう鳴らし方が、“THE DREAMING”の正しい鳴らし方なのかどうかはなんともいえないが、
私にとって“THE DREAMING”は「青春の一枚」であって、
青春の一枚とは、そういうことを含めてのことでもある。

Date: 5月 6th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その10)

この項に興味を持って読んでいる方たちがもっとも知りたいのは、
ULTRA DACと較べてどうなのか、だろう。

今回はULTRA DACとの比較試聴ではない。
これから先も、そういうことをやろうとは考えていない。

それでも、これまで三回、
喫茶茶会記でのaudio wednesdayでULTRA DACを聴いている(鳴らしている)。
その記憶を元に語るならば、やはり違う、となる。

そのくらいにULTRA DACと218は違う。
MQA-CDの再生、通常のCDの再生、どちらも違う。

2,500,000円と125,000円という価格の違いを考慮すれば、
違いは小さいともいえる。

それでもいちばん違うと私が感じたのは、
そこで鳴っている空気の量である。

同じ音量で鳴らしているわけだが、
ULTRA DACで鳴らしている時の、空気の量はやはり多い。

多いといっても、喫茶茶会記の空間が拡がるわけでもないし、
空気が物理的に増えるわけではないのだが、
スピーカーが動かす空気の量が違うとしかいいようがない違いが、はっきりとある。

つまり、それはどういうことかといえば、空気の密度感が違う、ということなのかもしれない。
と同時に音の量感とは、そういうことなのか、と合点がいった今回の試聴でもある。

誤解しないでほしいのは、218で鳴らしたときの空気の密度感が低い、というわけではない。
ULTRA DACで鳴らす空気の密度感が高い(濃い)のである。

Date: 5月 6th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その9)

218は125,000円だから消費税8%ならば、135,000円になる。
これだけの予算があったとしよう。
オーディオに、これだけの予算がかけられる、としたら、どうするか。

何を買うのか。
人によって答は違う。
一人として同じシステムで聴いているわけではないし、
仮に同じシステムで聴いている人が何人かいたとして、
皆が同じだとは考えられない。

人によって価値観、考え方は違う。
それによって、135,000円という予算が、ポンと与えられたらどうするかも違ってくる。

CDプレーヤーにMCD350クラスのモノを使っている、としよう。
135,000円でラインケーブルを買う、という人もいよう。
長さによるが、10万円を超えるケーブルであれば、
上をみればキリがないとはいえ、かなりのケーブルが手に入る。

電源コードという人もいるだろうし、
その他のアクセサリー類という人もいよう。

どれが正解というわけではない。
私なら、MQA-CDを聴きたい、と考えるから、218を選ぶ。

MQAの音は、長いことアナログディスク再生にこだわってきた人ならば、
絶対になんらかの良さを見出せる、はず。
そう断言できる。

だからMQA-CDの音を聴く度に、
私は菅野先生のことをおもう。

音触という表現をつくられた菅野先生は、
MQA-CDの音をどう表現されるだろうか。

そのことを、こうやって書きながらもおもってしまう。

Date: 5月 6th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その8)

その1)で書いているように、
マッキントッシュのMCD350とメリディアンの218は、
ジャンルの違う機器とはいえ、同価格帯の製品とはならない。

私は、安易なCDプレーヤーのセパレート化には、否定的である。
なんでもかんでもセパレートにしてしまえば、音が良くなるわけではない。

今回は、MCD350と218は同じコンセントから電源をとっている。
つまりMCD350単体で音を聴いている時であっても、
218は電源を入れていて、なんらかの影響をMCD350に与えているとみるべきで、
その意味では、
MCD350単体の音、MCD350+218の音を厳密に比較試聴しているとはいえないところがある。

MCD350単体で聴いた方がいいんじゃないか、と、
これまでの聴いてきた記憶と照らし合せ、そう思うところもある。

とはいえ、あれこれやったあとの218で、もう一度かけたブリテンのモーツァルトは、
もう鈍くはなかった。

このへんになると、どちらがいいというよりも、
かけるディスクに応じて、どちらから出力をとるのかを選択すればいいと思う。

つまりカートリッジをかえるように、
D/Aコンバーター部をかえて聴けばいい。

そしてMCD350に218を追加することで、MQA-CDの再生が可能になる。
このことのメリットは、はっきりと大きかった。

これまで書いてきているように、私はMQA-CDの音は、ULTRA DACでしか聴いてこなかった。
MQA-CDに感じた良さは、218でも感じられるのか、
感じられるとして、どこまでのレベルなのか。

期待もあり、不安もあった。
最初にかけたMQA-CDは、グラシェラ・スサーナである。

前奏が鳴ってきた瞬間に、MQA-CDだな、と思ったし、
スサーナの歌が始まると、やっぱりMQA-CDはいい、
それも人の声がほんとうにいい、と改めて認識していた。

よくいわれるように、空気が変る──、
まさにそういう感じになる。
つまり聴き惚れる。

Date: 5月 5th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その7)

218の天板に重しを載せるかのせないか。
載せるにしても、どんな材質で、どのくらいの重さのモノにするかによっても、
音は、当然だが変ってくる。

今回は、とりあえず喫茶茶会記にあった重しになりそうなものを使ったまでのことで、
今回の重しが最適とは思っていない。

重しは、結局最後まで載せたままで聴いている。
けれど、かけるディスクによっては載せない方がいいときだってあるし、
置き台と脚との関係性でも、そのへんは違ってくるから、
こうしたほうがいい、という絶対的なことにはならないし、
そんなことは書けないものである。

実際、重しの最後のほうで少し変えてみた。
そこでかけたディスクには、位置を変えたほうがよかった。

218を接いで、脚を何もつけずに鳴らした状態の音からすると、
最後の方で鳴っていた音は、どちらも218の音ではあっても、
違うといえば、違う音になっている。

これらのことをやっていくことで音は必ず変化する。
その変化量とどの方向への変化なのかを聴きながら、
それでも変化しないところも必ずある。

音を聴くということは、音を探っていくということでもあり、
音を探っていくということは、今回やったこともその一例である。

今回は重しを載せたけれど、
個人的に218を聴くのであれば、私は載せない。
載せずに、脚の位置をもうちょっとだけ細かく詰めていく。

音が好ましい方向に変化していくとしても、
天板に重しというのは、好まない。

それでも今回やったのは、音を探っていくためである。

Date: 5月 5th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その6)

メリディアンの218には、脚、電源コード、重しの他にも、もうひとつやっている。
そのもうひとつでの音の変化が、私が予想していた以上に大きかった。

変化量が大きく表れた理由の一つには、
重しを載せていたことも関係してのことだろうと考えた。

だとすれば、と次に考えたのは脚の取り付け位置である。
そう考えたのは、ステレオサウンドにいたころ、
井上先生の試聴で、
スピーカーシステムの下にダイヤトーンのDK5000を使ってチューニングをやってきたからである。

DK5000はカナダ産のカエデを使った、一辺約10cmの角材である。
DS5000用として発売されたが、ステレオサウンドの試聴室ではJBLの4344に常時使っていた。

DK5000による四点支持、三点支持だけでなく、
それぞれのDK5000をどの程度スピーカーシステムの底板に接触させるか、
それによる音の変化、そしてスピーカーシステムの天板の状況との関係性、
それらの経験があったからこそ、218でもまったく同じに捉えたわけだ。

スピーカーシステムのエンクロージュアも、
アンプやD/Aコンバーターのシャーシー、どちらも箱である、六面体である。
六つの面は完全に独立しているわけではない。

天板の振動を抑えようとすると、対面の底板の振動が増える。
振動というエネルギーをどこかでロスさせないかぎり、
片方の面をしっかりとした造りにすれば、どこか弱い面にしわ寄せがいく。

218の天板に重しを載せても、それで天板の制振ができるわけではない。
だから脚の取り付け位置を、脚の直径分内側に寄せた。

たったこれだけでも音は変化する。
その変化の仕方は、スピーカーシステムにおけるDK5000のそれとほぼ同じ傾向を示す。

Date: 5月 4th, 2019
Cate: 218, MERIDIAN

メリディアン 218を聴いた(その5)

メリディアンの218につけた脚は、
別項「聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(アンプの脚)」で、
マッキントッシュのMA7900、MCD350につけたモノと基本的に同じである。

違うのは大きさだけで、もっとも大きく重量のあるMA7900には大きめのモノを、
MCD350にはそのしたのサイズ、218にはさらにしたのサイズにした。

この脚を、最初はゴム脚を貼り付ける位置に取り付けた。
問題なく取り外しができるように、それ用の両面テープを使った。

ここでの変化も小さからぬものだった。

218の重量は先に書いたように500gである。
この軽さからわかるようにシャーシーに、厚い金属板を使っているわけではない。
とはいえサイズも小さいゆえ、シャーシーの強度が不足している感じはない。

でもオーディオマニアの性(さが)として、
天板の上に重しを置いてみたくなる。

喫茶茶会記には、タオック製の金属の円柱状のモノがある。
218よりも手にとると重い。
とりあえず、これを218の上に、布を介して置く。

こんなふうに約二時間、218で音を聴いていた。
21時ごろに、別項「Hallelujah」で紹介したジェフ・バックリィによる“Hallelujah”をかける。

いい感じで鳴っていた。
最後まで聴き終って、
「今日は、これ(ジェフ・バックリィによる“Hallelujah”)で終りにしてもいい感じですね」
という声があった。

私も同感だった。
締めの一曲がうまく鳴ってくれれば、気持ちよく終れる。
ジェフ・バックリィによる“Hallelujah”は、そのくらいうまく鳴ってくれた。