Date: 8月 6th, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十九夜を終えて

今日のaudio wednesdayは、あまりの暑さなので、
予定されていた方でも、今日はやめておこう、と思われてもおかしくない。
にも関わらず、さそうあきら氏のDJということで、初めての方もおられて、良かった。

スピーカーは先月と同じウェストレックス・ロンドンで、他の機材も同じ。
違うのは、エラックのリボン型トゥイーターの存在だ。

かなり音は変る。
今日のポジション、調整がベストではないが、うまく鳴ってくれた。

こうも暑いと、いつもならなんでもないことでも面倒に思えてくる。
楽な方に流されたいという気持もわいてくる。
それでも鳴ってきた音を聴くと、やっぱりきちんとやってよかった、と思える。

Date: 8月 5th, 2025
Cate: ディスク/ブック

Charlin Disques(その3)

会が終って、途中まで帰りが同じだった方(たぶん同世代だろう、女性の方)が、
「音楽は詳しくないんですけど、あのレコードの響きが、他のレコードとはまったく違っていて、驚きました」、
そんなことを話された。

シャルランのレコードを鳴らした後で、ワンポイント録音だ、説明した。
オーディオマニア相手ならば、シャルランのレコードといえば、それで済むが、
ワンポイント録音がどういうものなのかも、簡単に説明した。

この時の会に参加されていた人たちの反応は、
オーディオマニアの反応よりも素直だったような気がする。
スピーカーが、こんな感じで鳴ってくれるのか──、
そんな印象を持たれたようでもある。

シャルラン レコードは、数年前に、新たにCD復刻がなされている。以前のCDよりもずっと好ましい仕上がりのようだ。

来られた方の反応を見ていて、それに上記の方の話を聞いて、
近いうちにワンポイント録音ばかりかける会をやろうと考えている。

古くはエーリッヒ・クライバーの「フィガロの結婚」もそうだし、
オーディオマニアの間でよく知られる「カンターテ・ドミノ」もそうだ。

デジタル録音になってからでは、
デンオンから発売されていたインバルのマーラーの四番がある。
マイクロフォンは三本使用だが、テラークもワンポイント録音と言える。

Date: 8月 5th, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十九夜(さそうあきら氏のDJ・いよいよ明日)

明日(8月6日)は、さそうあきら氏のDJによるaudio wednesday。

明日は、今日ほどの暑さではないようですが、それでもかなり暑くなりそうです。
なので軽装でお越しください。

Speaker System: Westrex London + ELAC 4PI PLUS.2

Control Amplifier: Marantz Model 7

Power Amplifier: Accuphase A20V, McIntosh MC275

CD Transport: Accuphase DP100

D/A Converter: Meridian ULTRA DAC

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2,500円いただく。ワンドリンク付き。
大学生以下は無料。

Date: 8月 4th, 2025
Cate: 真空管アンプ

McIntosh MC275(その3)

真空管アンプでもないし、マッキントッシュのアンプでもないが、
MC275と同じ意味で、スレッショルドのSTASIS 1にも、ある種の憧れがある。

ステレオサウンド 47号の「オーディオ巡礼」のなかで、
五味先生は、こう書かれていていたからだ。
     *
南口邸ではマッキントッシュではなくスレッショールドでタンノイを駆動されている。スレッショールド800がトランジスターアンプにはめずらしく、オートグラフと相性のいいことは以前拙宅で試みて知っていたので南口さんに話してはあった。でも私は球のマッキントッシュを変える気にはついになれずにきたのである。
     *
スレッショルドの800Aは、そのころの私にとっては憧れのパワーアンプだった。

800Aは、幸運にも熊本のオーディオ店で聴いている。じっくりとではなかったけれど、
《800Aのあの独特の、清楚でありながら底力のある凄みを秘めた音の魅力が忘れられなかった》、
瀬川先生が書かれていた音は、こうなんだと納得できる音を聴くことができた。

これらのことで、私にとってスレッショルドは特別な、憧れのブランドとなったわけだが、
800Aに続く400A、4000の音に惹かれることはなかった。

やっぱりスレッショルド、と思えたのは、その後に登場したSTASIS 1である。
しかもSTASIS 1は、テラークのカッティング用アンプとして採用されていた。

だが残念ながら、テラークのLPをSTASIS 1で鳴らした音を聴くことはなかった。

Date: 8月 3rd, 2025
Cate: 真空管アンプ

McIntosh MC275(その2)

カッティングヘッド駆動用のパワーアンプというのは、私にとっては、
けっこう特別な存在でもあった(とあくまでも過去形なのだが)。

たとえば出力管のEL156に、かなり憧れていた時期があったのも、
ノイマンのカッティング用アンプとしてEL156のアンプが使われていた、という記事を読んだからだ。

その頃の私は、300Bに代表されるST管の形状があまり好きではなかった。

EL34やシーメンスのEdのカタチが好きだったから、
ややずんぐりしているもののEL156は、こちら側の真空管として、
私の目には映っていた。

中学生のころは、どんな真空管なのか、よく知らなかったけど、
ウェストレックスのカッティング用アンプに使われていた7027Aへの興味も、かなり強く持っていた。

カッティング用アンプと同じ真空管を使ったから、
同じ音になるわけでもないし、
いい音のアンプになるわけでないことは、
中学生にだってわかること。

それでもそれらの真空管への憧れは消えたりしなかったし、
完成品のアンプとして採用されていたMC275は、やっぱり特別な存在でもあった。

Date: 8月 2nd, 2025
Cate: 真空管アンプ

McIntosh MC275(その1)

オーディオに興味を持ち始めた中学生のころ、妄想していたことがいくつあって、
そのうちの一つが、カッティングヘッドを駆動するパワーアンプと、
スピーカーを駆動するパワーアンプを、同じにしたら──、というのがある。

マッキントッシュのMC275は、「五味オーディオ教室」でオーディオの世界に入った私にとっては、
五味先生愛用のパワーアンプとして、いつまて経っても特別な一台である。

だからといって、自分のモノとしたい、と思ったことはないが、
それでも事あるごとに聴く機会はあって、いいアンプだな、と思い続けてきた。

昨年からaudio wednesdayを再開して、MC275を聴くことは増えた。
聴いていて、ふと昔の妄想を思い出していた。

MC275は、レコード会社でカッティングヘッドの駆動アンプとして使わられていた時期がある。
知らず知らずのうちに、MC275でカッティングされたLPを、 MC275で鳴らすスピーカーを通して聴いている。

Date: 8月 1st, 2025
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十九夜(さそうあきら氏のDJ)

8月6日のaudio wednesdayは、マンガ家のさそうあきら氏のDJ。

スピーカーは告知している通り、ウェストレックス・ロンドンを鳴らす。
それにエラックのリボン型トゥイーターを足すのだが、どういう結果をもたらすのか、
予想できるところもあるし、そうでないところもあって、私自身、わくわくしている。

さそうあきら氏から当日のプレイリストはいただいているが、
来てのお楽しみということで、まだ公開しない。

Speaker System: Westrex London + ELAC 4PI PLUS.2

Control Amplifier: Marantz Model 7

Power Amplifier: Accuphase A20V, McIntosh MC275

CD Transport: Accuphase DP100

D/A Converter: Meridian ULTRA DAC

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2,500円いただく。ワンドリンク付き。
大学生以下は無料。

Date: 7月 31st, 2025
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その16)

現在、真空管を製造しているのは、中国、ロシア、スロヴァキアで、続いてアメリカ、日本ぐらいだろう。

ポーランドにFezz Audioというブランドがある。
このFezz AudioのFacebookでの告知によると、
EUの助成金を得て、ポーランドでの真空管の製造が始まる、とのこと。

いつごろ、実際の真空管が登場するのかは、まだはっきりとしないが、
新たな真空管が手に入れられるようになることは確かだ。

Date: 7月 31st, 2025
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その15)

PSVANEをはじめ、現行の真空管を管球王国では頻繁に取り上げている。
ここで取り上げられている現行の真空管は、いわゆる新品のはず。
新品の状態で、音質について語られている。

けれど寿命については、語られていない。
片手落ちではないか、と毎回思う。
全ての現行の真空管を、とまでは言わないが、少なくとも試聴結果の良い現行の真空管は、
長期使用において、どのような変化をしていくのか、記事にしていくべきだ。

ただ単に、このブランドの真空管が良かった──、
ここに留まっているのを、これまでずっと続けてきて、
これから先もずっと続けていくつもりなのか。

Date: 7月 30th, 2025
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その14)

PSVANE(プスヴァン)は中国のメーカーということで、先入観を持っている人もいるだろうし、
中国からインターネットを通じて買うことに不信感を持つ人もいるはず。

世の中は変ってきている。十年前はそうだったからといって、いまもそうだとは限らない。
中国製オーディオ機器や部品への偏見は捨ててもいいと思っている。
もちろん全ての中国製が安心して使えるとまでは言わないし、思ってもいない。
ピンキリなのは、中国製だけのことではない。

PSVANEのUK-KT88の箱には、貴族之声と大きく印刷されている。
こういうところは中国製だなぁ、と思うしかないが、大事なのは中身(KT88)の品質である。

KT88を四本挿し替えて、バイアスのチェックはしたのかと問われれば、やっていない。

マランツのアンプには、バイアス調整用のメーターと機能が用意されている。
マッキントッシュのアンプも固定バイアスだが、こちらにはない。
ハイGmの出力管6LQ6を四本並列で使用するMC3500には装備されているが、
MC275、MC240などには、ない。

だからチェックの必要はない、とは言わないが、
四本のKT88のうち、大きくバイアスが違う球が混じっていたら、
それは出てくる音を聴けば、もしかすると……と感じるはずだろう。

今回、挿し替えた音を聴いていて、そんな感じはなかったし、むしろいい感じで鳴っている、と感じたほどだ。

ただし、すでに書いているように、この音がずっと持続できるのか、
それとも一年ほどで、音が悪くなってきたな、と感じるようになるのか。
いまは、まだ判断できない。

Date: 7月 29th, 2025
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その13)

PSVANEのUK-KT88に交換したばかりのMC275の音は、けっこう違うな、だった。
とはいえPSVANEに挿し替えて電源を入れて数分経っただけの音なのだから、
これがPSVANEのKT88の音は、言い切れるわけではない。

しばらく音を鳴らしながらの音の変化を聴いていく。
最初にかけたのは、バルビローリ指揮ベルリンファルハーモニーによるマーラーの九番。

第一楽章を最後までかけて、もう一度、かける。
明らかにスクラッチノイズの耳につく感じが、いい方向にと変る。
次にかけたのは、チッコリーニによるサティ。このレコードの後半あたりから、また音が変る。

サティのあとにもう一枚(片面)をかけ、別項で触れているフォーレを聴く。

シャルラン レコードならではの音で鳴っている。
私はそう感じながら聴いていたし、このフォーレは聴いている人の心をなんらかのかたちで捉えたようだ。

そういう音で鳴ってくれたのだから、PSVANEのUK-KT88の選択は間違いではなかった。
正しかったと書きたいところだが、寿命の点は、これから先確認していくことだから、
いまのところ、そこまでは言えない。

ここでの寿命とはヒーターが切れるまでのことではなく、
しばらく使っていくうちにノイズが増えたり、音が悪い方向に変っていくなどの意味での寿命だ。

真空管の品質に関わることだ。
一年後、二年後、PSVANEにしてよかった、といえるのかどうか。

こんなふうに音が変化していくのは、新品であればよくあることだし、
鳴らしはじめから、いい音がするわけないのだから、その時の音は聴かないというオーディオマニアもいる。

そんな発言をインターネットやら雑誌で見かけると、
なぜ聴かないのか、と逆に思う。

自分の装置なのに──、とも思う。
どんなふうに変化していくのか、自分の装置だこらこそ、そういうことまで把握しておきたいし、
音の変化きちんと聴いていくことは、経験へとつながっていくからだ。

Date: 7月 28th, 2025
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その12)

現在、一応入手可能なKT88は、スロバヴァキア製、ロシア製、中国製となる。
ブランドはいくつかある。材質も内部構造も少しずつ違ったりする。
もちろん基本はKT88なのだが、どのKT88を選んだらいいのか、迷う人もいる。

現在製造されているKT88全てを聴いたことがある人は、
オーディオ関係者ぐらいだろう。
自身でいくつかのKT88を試した、オーディオ仲間のところで聴いた人でも、
何種類のKT88を聴いているのだろうか。

その中で、人は、このKT88がよかった、あのKT88はダメだった、という。
インターネット上に溢れている、そんな情報(もどき)をどこまで信用するのか。
それも人それぞれとしか言いようがない。

今回、最初からPSVANEにすることだけは決めていた。
そのPSVANE製のKT88の中から、どれにするのかは、ほぼ直観だ。
実物を手にしての直観ではなく、写真を見ただけの直観だ。
このKT88だったら、MC275に挿しても見た目がおかしくは感じないだろう。そういう直観である。

なんといいかげんな選び方と言われようが、全てのKT88を聴いて選ぶことは、まず無理。
数種類のKT88の中から選ぶにしても、その数種類のKT88を選ぶのは、何のか。
直観ではないのか。

Date: 7月 27th, 2025
Cate: 真空管アンプ

真空管アンプの存在(と取り巻いていること・その11)

中国製真空管を、どう捉えるか。
真空管全盛期からストックを十分すぎるほど揃えている人は、
中国製真空管なんて、と関心すら持たないだろうが、
そうでない人もいるし、
現在使っている真空管アンプのメーカーが、補修パーツとしてストックを十分に持っているのどうか、
そんなことでも中国製真空管への関心は変ってくる。

昨日、マッキントッシュのMC275のKT88を交換してきた。
PSVANEのUK-KT88にした。

予算と時間の余裕があれば、GECもしくはGoldLionのKT 88にしたいところだが、四本特性を揃えてとなると、結構な金額になる。

どうにかそれらのKT88を手に入れたとして、あとどのくらい使えるのか。
保証はあるようでない。
残念ながら、真空管は消耗品でもある。

ならば割り切って、という考えもある。
PSVANEのUK-KT88は、特性の揃った四本で26,000円を少し切るぐらいだ。

PSVANEのKT88にはいくつかの種類があって、今回はUK-KT88を選んだ。これが一番いい選択なのかは、いまのところなんとも言えないが、
昨日の感触では、失敗ではない、とははっきりといえる。

Date: 7月 27th, 2025
Cate: ディスク/ブック
1 msg

Charlin Disques(その2)

そのシャルラン レコードのLPを、昨日(7月26日)、やっと聴くことができた。
野口晴哉氏のリスニングルームで、聴いていた。

野口晴哉氏のレコードコレクションの中に、シャルラン レコードは、きっとあるはず、と確信していたけれど、
かなりの数のコレクションゆえ見つけるのは大変かも……と思うだけだった。

昨日は、オーディオの会とは関係ない少人数の集まりで、
私はマッキントッシュのMC275用のKT88が届いたとのことで、
MC275のチェックとセッティングの用事だった。

シャルラン レコードは、やっぱりあった。数枚あった。おそらく丹念に見ていけばもっとあるだろう。

野口晴哉氏のコレクションにあったシャルラン
レコードは、トリオレコードが取り扱っていたもので、
フランス直輸入盤である。

この盤がシャルラン レコードの初期盤なのかは私は知らないが、
とにかくフランス盤で聴ける──、そのことで充分だ。

聴いたのは、ティッセン・ヴァランターン(ピアノ)とRTF弦楽四重奏団によるフォーレ。

一緒に聴いていた数人の方たちは、オーディオに関心のある人たちではないのだが、
シャルラン レコードから鳴ってきた音というより響きに、
驚かれていたようだった。

シャルラン レコードがどういうモノなのかを知らない人たちだったからこその反応だったのだろう。

Date: 7月 26th, 2025
Cate: ディスク/ブック

Charlin Disques(その1)

シャルラン レコードについて、何度か書いている。アンドレ・シャルランについても書いているけれど、
シャルラン レコードの音を聴いた、とははっきり言えないのは、
アナログディスクで聴いていないからだった。

CDでは聴いている。
けれどシャルラン レコードのマスターテープはもう存在しないのだから、
復刻CDの音だけを聴いてアンドレ・シャルランの意図するところを聴いたとは言えないのはことはないが、
それでも……である。

私がオーディオに興味を持ち始めたころは、まだトリオレコードが取り扱っていたから、
手に入れようと思えば買えたわけだが、
中学生にとって、買いたいレコードは山ほどあって、
シャルラン レコードは後まわししていた。そうやって手に入れる機会を逃す。

当時は、アンドレ・シャルランについての情報は乏しかった。
いまでもそれほど多くあるわけではないが、インターネットのおかげで、知ることができたことはいくつかある。

そうなると、よけいに聴きたくなる。