Date: 10月 19th, 2012
Cate: Leonard Bernstein
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バーンスタインのベートーヴェン全集(続々・1990年10月14日)

コロムビアに、あれだけの録音を残しているバーンスタインなのに、
モーツァルトのレクィエムだけは残していない。

ドイツ・グラモフォンでの、1988年7月のライヴ録音が、バーンスタインの初録音ということになる。
すこし意外な気もする。
いままでモーツァルトのレクィエムを演奏してなかった、ということはないと思う。
なのに録音は残していない。

1988年7月のコンサートは、愛妻フェリチア没後10年ということによるもの。
それが録音として残され、CDになっている。

1988年7月ということは、バーンスタインは70の誕生日まであと2ヵ月という年齢。
バーンスタインが、このときどう思っていたかは、まったくわからない。
けれど、レクィエムの再録音をすることはない、と思っていたのではなかろうか。

録音して残す、最初で最後のモーツァルトのレクィエムを、
バーンスタインは、そういう演奏をしている。
だから聴き終ると、ついあれこれおもってしまう。

当っていることもあればそうでないこともあるだろう。
でもどれが当っているかなんて、わからない。
それでも、おもう。

おもうことのひとつに、こういうバーンスタインの表現は、いまどう受けとめられているのだろうか、
そして、バーンスタインの演奏をしっかりと鳴らしてくれるスピーカーシステムが、
現代のスピーカーの中に、いったいどれだけあるんだろうか、ということがある。

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