ワイドレンジ考(その43)
適切に設計されたコーナー型スピーカーシステムであれば、
しっかりした壁と床を確保できれば、低域のレスポンスを改善できるといえる。
たとえレスポンスの上昇が6dBだとしても、これを電気的に補整するためには、
パワーアンプにそれだけの負担がかかる。6dBアップだと、4倍の出力が求められる。
そして、当然ウーファーには、それだけのストロークが求められる。
いまのように数100Wの出力のあたりまえになり、ウーファーのストロークも充分にとれるのであれば、
電気的な補整も実用になるが、タンノイのオートグラフが登場した時代は、
真空管アンプで、出力は大きいもので数10W。
ユニットのほうも同じようなもので、モニターシルバーの最大許容入力は25Wだ。
だから、低域のレスポンスを伸ばすには、コーナー効果の助けを必要とした。