the Review (in the past) を入力していて……(その13)
プロトタイプとして登場したステイシス1は、ステイシス回路で特許を取得している。
ステイシス回路とは、当時は、電圧と電流の変動を極力おさえたステイシスアンプと、
それに付随する電流供給源を組み合わせたものと、説明されていた。
ステイシスアンプもスピーカーとつながっているが、大半のパワーは、
ステイシスアンプがコントロールする電流供給源からおこなわれる。
こういう説明がなされていたが、具体的な回路構成にはついてはまったくわからなかった。
ステレオサウンド編集部にあったスレッショルドの技術資料をみると、
たしかにステイシスアンプと呼ばれるもののほかに、スピーカーとアース間にごく小さな値の抵抗が挿入され、
ここで電流検出をして、電流供給源アンプの入力へと接続されていた。
つまり小出力の、リニアリティに優れているステイシスアンプと、
大出力のアンプを組み合わせた回路、つまり2台分のアンプが必要ということになる。
この回路の概念図が、1980年にステイシス2、3を加えて市販されたあとで、じつは変更されている。