the Review (in the past) を入力していて……(その8)
DBシステムズのDB1+DB2を聴いたのは、AGI・511(ブラックパネル)同じ日で、
ほかにマッキントッシュのC32、パイオニア/エクスクルーシヴC3も聴いている。
DB1+DB2の音は、511とは、また違う面をもつ強烈さだった。音が尖っていた、そんなふうに受けとった。
C32、C3を聴いたあとでは、511もDB1+DB2も、作っているのは、
きっと若いエンジニアなんだろうなぁ、と思わせるところがあった。
どちらも青年という感じで、511が短距離走のアスリートだとすれば、DB1+DB2は、文学青年か。
アメリカの新しい世代の音であるのだろうが、対照的な音のようにも感じていた。
511は、シャーシの作りも精度がきちんと出ていて、パネルフェイスも精悍な印象がある。
一方、DB1+DB2の作りは、むき出し、作りっぱなしという感じが残っている、というふうに、やはり対照的。
内部も、実はそうで、511が信号系すべてにオペアンプを採用し整然としているのに対して、
DB1+DB2は、意外にも、と言おうか、すべてディスクリート構成で、
しかも当時、他のアンプがほとんど採用していた差動回路は使わず、
電源もマイナス電源(33V)のみ、という、外観とともに、個性的な内容といえる。
聴いていて爽快だったのは511だったが、では、自分で使うとなったら、DBシステムズを選ぶかもしれない。