BBCモニター考(その15)
JBLの4343もモニタースピーカーだし、ロジャースのLS3/5AもLS5/8も、やはりモニタースピーカーである。
モニタースピーカーとはいったいどういう性格の、性能のスピーカーのことをいうのだろうか。
コンシューマー用スピーカーとの本質的な違いは、あきらかなものとして存在するのであろうか。
たとえばヤマハのNS1000Mの型番末尾の「M」はMonitorの頭文字である。
だからといって、NS1000Mが、モニタースピーカーとして企画され、開発製造されていたとは思わない。
あきらかにコンシューマー用スピーカーなのだが、1970年代、スウェーデンの国営放送局が、
このスピーカーをモニタースピーカーとして正式に採用している。
そうなると、単なる型番の名称ではなく、「モニタースピーカー」と堂々と名乗れる。
QUADのESLも、純然たる家庭用スピーカーの代表機種にもかかわらず、
レコーディングのスタジオモニターとして採用されていたこともある。
スタジオモニターといえば、大きな音での再生がまず絶対条件のように思われている方もおられるかもしれないが、
モニタリング時の音量は、アメリカ、日本にくらべるとイギリス、ドイツなどは、かなり低めの音量で、
一般家庭で聴かれているような音量とほとんど変らないという。
だから、ESLでも、多少の制約は、おそらくあっただろうが、
もしくはESLで、なんら制約も感じないほどの音量がイギリスでのモニタリング時の一般的な音量なのだろう。
とにかくESLは、十分モニターとしての役割を果していた。