岩崎千明氏のこと(その4)
パラゴンを購入されたのは、1975年夏。
パラゴンの導入によって、それまでのメインスピーカーだったハークネスは、
低音のみで使われ、オリジナルの175DLHから、
エンクロージュアの上に置かれた2440と2397の組合せに変わっていく。
ハークネスは1967年に購入されている。
620Aも、パラゴンと同じ年に購入されている。
「オーディオ彷徨」に「永年の夢、まさに二六年もの夢がかなって手元に置いた。
だから604-8Gを聴くときは僕は二六年前のようなマニアになれるのだろう。」とある。
「僕は二六年前のようなマニアになれるのだろう」、
オーディオ機器への想いが、ここにある。
最新のオーディオ機器を手に入れるとき、こういう喜び、想いは味わえない。
翌76年、アメリカ建国200周年の年に、
当時20代だった岩崎先生にとっての憧れのスピーカーだったハーツフィールド、
つづけてエレクトロボイスのパトリシアンIVも入手されている。
パトリシアンIVも、発表は1955、56年である。
晩年の数年間は、1950年代のオーディオ機器を憑かれたように集められている。