ある写真とおもったこと(その2)
1982年当時のスティーブ・ジョブズの部屋には、レコードとオーディオ以外は、照明があるくらい。
他のものは見当たらない。
こんな生活を私もしていた。
部屋にはレコードとオーディオだけ、といっていい生活だった。
20代のころのことだ。
椅子も持っていなかった。床に坐って聴いていた。
だから、「スティーブ・ジョブズ 100人の証言」の写真を見て、うれしかった。
部屋の広さこそ大きく違うけれど、こんな音楽の聴き方をジョブズはしていたのか、と、
その写真を見ておもっていた。
もちろん写真用のポーズの可能性もないわけではない。
でも、写真から伝わってくる雰囲気は、
ソファにゆったり腰かけ音楽を楽しむ、という、そういう聴き方をしている人のものではなかった。
誰かといっしょに音楽を聴いている、という雰囲気でもない。
そこに、親近感のようなものを感じていた。だから、写真を見て、うれしかった。
1枚だけの写真で、写真についての詳細な説明はほとんどない。
ジョブズがどういう音楽の聴き方をしていたのかについては、
アクースタットのModel 3というスピーカーと写真から伝わってくるものから、私の勝手な想像にすぎない。
大きく外れてはいない、とは思っているけど、
それよりもオーディオマニアなら、この写真を見て、なにか感じるものがきっとあるはず。
だから見てほしい、と思う。