使いこなしのこと(誰かのシステムを調整するということ)
親しい間柄の人の音を聴かせてもらっているときに、
ときどき「どう調整したらいいか、どこを調整したらいいか」という話になることがある。
こういうときあれこれ言うことはあっても、原則としてそこにあるシステムの調整に手を出すことは、まずない。
なにもそれは面倒だからではなく、こまかいところまで口を出して手を出さないほうが、
ときに面倒というか、まどろっこしく感じもする。
それでも手は出さない。私が直接やったほうがずっと早く終ることでも、そのシステムの持主にやってもらう。
ときに手本が必要と思われることに関しては、手本を見せるけれども、それでも手は出さない。
それはあくまでも、そこにあるシステムは、その人のものだから、である。
そのシステムは、その人だけが触れて調整すべきもの、と私は思っているからだ。