Mark Levinsonというブランドの特異性(その33)
マーク・レヴィンソンは、次のように語っている。
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私がいつも思うのは、いわゆるサウンドシステムというものはオーディオの全体の半分にしかすぎぬものということです。他の半分とは、われわれがそのシステムによって再生しようとするソース・マテリアルです。
今日において、われわれの有するステレオ・コンポーネントの数々は、その再生能力において普通手に入るソース・マテリアルの持つフィデリティーをはるかに凌駕するものがあると思います。実際に、私達の製品の持っている本当の能力を正しく評価するためには、音の差について判断を下すことを可能にするような、特製のレコードやテープを用いることなしには不可能です。
私の目標とするところは、音楽のイベントを再現することで、これは終始変わりません。ステレオ・コンポーネントの性能をどんどん高めてゆくと、非常に多くのレコードが音楽のイベントを正確に捉えていないという事実の認識に至らざるを得ません。そういった今までの多くのレコードをよい音で鳴らそうとすれば、再生機側に歪みや色付けを付け加えなければならないことすらあるのです。
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1977年春に、マーク・レヴィンソンは8枚のレコード、
MLA (Mark Levinson Acoustic Recording Series) を世に出している。